III 


川の流れの様なうねる長い白い髪に森を映した様な翠の瞳。
白く美しい肌をしたそれは上半身は人間の様だが、額からは水晶の様に硬質で透き通った鋭い角が1本生え、耳は人間と位置は同じだが形が毛が生え動く馬の耳。
そして下半身は人間と完全に違い、薄い緑の毛並の馬だった。

『森を風の様に駆け、賢くあれ、強くあれ。我々をどうか守っておくれ。』そんな森の願いを表した様な美しい姿。
森番は女性でありながら女性で無く、男性でありながら男性で無かった。

そんな生まれたばかりの森番の手に森はある物を授けた。
冷たく重い大きな剣。その刃は森番の髪の色と同じ白銀で統一されていて、柄に埋め込まれた石は森番の瞳と同じ緑。

森番の誕生を祝福する森は森番にファルテーロという名を与えた。



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