それと同時に崩れ落ちる森番を、領主が駆け寄り抱き止めた。
抱き止め、涙しながら謝った。
自分は何て事をしてしまったのかと。
命の灯が今にも消えそうな森番は領主に私の力ではきっと封印は長くは持たないだろうと告げた。
だから、封印が解けるまでにあの影を葬る術か、完全にあの影の世界との繋がりを封じてしまう術をどうか探し出して欲しいと。
領主は泣きながら必ず、必ずと何度も頷いた。
森番はそれを見届け、微かに微笑むと森を焼かれても貴方を憎む事は出来なかったと口にした。
その時、森の最後の樹が燃え尽き、それと同時に森番の姿は白い砂と葉に返ると領主の腕の中で崩れた。
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