XIV 


蹄のある足が地を蹴り、傷つきながらも悍ましい影を屠る森番。
影を生み出し続ける巨大な影を屠れば他の影も討ち止める事が出来るが、影が行く手を阻む。
影の数は僅かに減ったがしかしその間にも森は焼かれ続け、それに比例するように森番の力も落ちていった。

息を荒げる森番に影は止まる事無く襲い掛かり、一際大きな影の鎌の様に鋭い鉤爪をもった腕が甲高い音を立てて森番の角を折った。
それでも森番は地に倒れ伏せる事無く、最期の力を振り絞り、影の波に飛び込むと巨大な影に向かって純白の剣を振り下ろした。

森番の持ちうる全ての力を込めた剣は巨大な影を縫い止め、再び影を、影の巣食う世界へ通じる扉を封じた。



[14/16]
[*prev] [_] [next#]
[bkm]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -