+α 

これを書く際に色々と迷う事がありました。

欠損なんて書いて良いのかしら。とか、神様なんて題材に触れても大丈夫かしらとか。
そもそも始まりがフリーク(異形の)サーカスですからね。

一番迷ったのは欠損です。

これは取り扱っても良いものなのか。
最後の最後までゴルジュの腕はあるかないか、決めかねていました。
そして後天性の物にするか、先天性の物にするか。
最終的にはこのような形になったのですが。

私ははっきり言って、欠損が好きです。
無いべきものが有る人外に惹かれる様に、有るべき物が無い欠損は目を引きます。

ただ欠損にはそれだけでは無く、その人がその事に対して苦しんできた過去が少しはあるのではと思うのです。
そして、その事に何度と無く悩み、膝を折り、立ち上がって来た今があるのではと。
その道が私には眩しくてたまりません。

私は五体満足です。
ですから、五体不満足の方の苦労を完全に理解する事は不可能だと思います。
分かる事は、五体満足でも生きる事は大変なのに、それでも前を向いて生きる事が出来るのは本当に凄いという事。

その姿に、私は惹かれるのだと思います。


この作品の主人公にはそんな強さを持って欲しいと願いました。
異形で忌み嫌われるだけでなく、両腕まで奪われて。
それでも立ち上がる強さを。
人間に好かれる事を諦めて、嫌われても仕方ないと受け入れて。
それでも人間を憎まない優しさを。

辛い道を歩いてきた分、これからは幸せになって欲しい。

そんな気持ちが作品を書く際にいつもあります。
この作品はそれが特に強く出ました。

本当に欠損なさっている方、そんな方が身近にいらっしゃる方は何綺麗ごとを抜かしているのか。そんな言葉で足りる物ではないと思われるかもしれません。
そのため鍵を掛けさせて頂きましたが、大丈夫だと思ったけどやっぱり不快だった。
なんて方がいらっしゃらないか少し不安です。

楽しむ、という言い方はおかしいのかもしれませんが、作品として楽しんで頂けたら嬉しいです。


最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。





2011.04.16



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