「…はい、く、口開けて…」
俺の指示に従って素直にシロが口を開ける。
そこに俺は生クリームののったケーキをフォークに刺して入れた。
今俺は、シロの膝の上に跨って切り分けたケーキを小皿にのせてシロにケーキを食べさせている。
そうしてくれとシロが言うからなのだけど、これは恥ずかしい。
シロがやけにゆっくり口の中でフォークからケーキを外すから、フォークに舌の絡む感触が伝わって来る。
「生クリームだけ欲しい」
「分かっ「真白の指で」……は?」
「俺、誕生日」
何を言っているのかとシロを見ると、ここぞとばかりに勝ち誇ったように誕生日だと言い張る。
…くっそ、忘れてたくせに…と思いながら白いクリームを指ですくうとシロの口に持っていった。
暖かい口の中に指が入り、ねっとりと舌が絡む。
何度も何度も舐められて、腰の辺りがじんと疼いた。
「…も、良いだろ…もう全部…」
「まだ甘い…」
ちゅくちゅくと吸われて思わず僅かに腰をくねらせてしまう。
シロに分からない様にと気を付けたのに、膝の上にのせているシロにすぐにばれてしまった。
ふっと鼻で笑うと指からようやく口を離す。
「真白の指、どんだけ吸っても甘…」
「んなわけないだろっ」
がぁっと吠えるが、シロは素知らぬ顔で「次は苺が良い」と言った。
「はい、苺」
「…咥えて」
「へ?」
「真白が咥えて俺に頂戴…」
馬鹿だ。馬鹿すぎる。
そう思うのに、震える指が自分の口に苺を持って行ってしまう。
だってシロがそんな目で見るから。
そんな熱っぽい目で俺を見ないで。
熱が移ってしまいそうで。もっと求めてしまいそうで。
苺を咥えた唇はシロの唇と重なって、シロが苺を噛んだ瞬間に甘酸っぱい味が広がった。
「ん、う…んっ」
苺味のシロの舌を追いかけて自分から絡めると、シロは俺の腰を抱いてキスをしたまま歩き出した。
「んっ、どこ行くの…」
「ベッド……嫌?」
「ううん…良いよ」
だってお前誕生日だもんな、と笑うと伸び上ってシロの額にキスをした。
ベッドに縺れるように倒れ込むと、何度も角度を変えて唇を重ねる。
シロの手が服の下を這うように撫でまわして、器用に服を剥いでいく。
「ん、っは…シロ、下になって」
覆いかぶさるシロに頼むと、ベッドの頭に背を預けてシロが足を伸ばす。
その上に跨る様に座って中途半端に服を脱がされたまま顔を近づけた。
シロがキスを待つようにそっと目を閉じたけれど、すぐには重ねずに至近距離で綺麗な顔を眺める。
きゅっと通った眉も、鼻筋も男らしくて、睫が長い。
シロの顔って凄い好きだ。
…いや、シロの全部が好き。
心行くまで眺めていたら、不思議に思ったのかシロが目を開ける。
それに思わず笑うと今度はしっかりと唇を重ねた。
「…ん、ふ…」
厭らしい水音が響く中、ズボンごと下着が下ろされた。
大きな手が尻を揉んだ瞬間、シロの手を上から押えて止める。
「……真白?」
止められた事に疑問の声を上げるシロに小さく笑みを向ける。
「俺だけじゃなくてシロも脱いでよ…」
「…ああ」
シロが頷き、シャツを脱いでいる隙にベッドサイドにある机の引き出しを探る。
確かここにいつもシロが入れてたような気が……あった。
全部脱いだシロがこっちを向いた瞬間に、胸板に手を置いて押し倒して再び腹の上に跨る。
…あ、チョーカーは取らないでくれたんだ。
裸にチョーカーだけって凄くエロいかも…と思わず体を火照らせながらさっき引き出しの中から取り出したローションの蓋を開けた。
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