『佐藤』さんとか、『伊藤』さん、『鈴木』さん。
案外耳にする苗字だと思います。
そういう私も大して珍しい苗字ではないんですが(笑)

で、クラスに同じ苗字の人が2人以上いると、

『伊藤さん、この問題を解いてください』
『『…どっちの伊藤ですか?』』
『…じゃあ○○さんの方で』

みたいなやり取りがしょっちゅうあるわけですよ。
それだけでも楽しかったんですが、ある時、伊藤さん@が伊藤さんAを『おーい、伊藤』って読んだら、そういうやり取り無しにすぐに伊藤さん同士で話始めたんです。
そりゃ当たり前ですよね。簡単な2択です。
それなり長い間一緒にいるクラスメイトですし、相手の声も覚えてますから。
そんなやり取りを見てて、「あーなんか、良いな」って思って(笑)
そんな事を覚えていたので、

【普通の高校生が名前を呼ばれたので返事して振り向いてみたら、自分じゃ無くて不良のグループの総長でした。血の気が引いて真っ青です。】

みたいなのが書いてみたくて、この作品が出来ました。

当初、真白の席の後ろにシロが座っている設定でした。
それが紆余曲折してこんな風に。


予定していた物と変わった事の筆頭と言えば吾郎です。
Lessと敵対しているグループの総長は、俺様で血も涙もない頭の軽い奴でした。本当は。

真白とシロの関係を知った彼に、真白はシロの前で抱かれる。
シロに助けてもらった後、我を失ったシロにもう一度…
なんて今以上に真白が踏んだり蹴ったりの内容だったのですが、そこまで踏み切れなくて(苦笑)
そこでもう1つ考えていたキャラに変えたらあれよあれよという間にオカン気質になり、キーパーソンになり、良い所をかっさらっていってしましました。



作品のコンセプトは『1/2+1/2=2』です。
良く『1+1=1』とかはありますけど、そうではなく『1/2+1/2=2』。

シロと真白。人間としてどこか半人前と半人前。
そんな二人は自分の背負ってる物を相手に分けていって、初めて一個体として生きていけるんじゃないかと。
それは組木の切り込みみたいなイメージで、一人では決して何も成せません。
でも組み合わせれば個々の力を十分に出せるようにきっとなるんだと思うんです。
一人は寂しいですから。
周りの援助の手を全部断って背負い立つ姿は逞しいかもしれませんが、いつかきっと膝が砕けてしまいます。

だから、手を取って一緒に歩んでいって欲しい。
そう願った作品でした。

冷たい言い方をすれば、真白は誰か頼りになる人に相談して、背負っている荷物を分けてさえいれば苦しい思いをせずに済みました。
でもそんな簡単にいかなくて。
相談しようと思っても、諦めやプライドによって口を閉ざしてしまう事は良くある事ではないかと思います。

荷を分ける決断をするには他人が見ているよりもずっと勇気が必要で、そこに行きつくまでに葛藤する真白を描けていたら良いなとか…もにゃもにゃウヘヘヘヘ(゚∀゚*)



作品としてはここで終わりですが、番外編としてシロと真白の甘い感じや、夫婦みたいな所、後は彼らの身の回りの人をいつか描けたらなと思います。



こんな所まで読んで下さって本当にありがとうございました。





2011.04.29



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