6* 

熱い唇を自分の唇で感じて、下唇を僅かに噛んだ。
噛んだ瞬間にびくっと体を揺らしたから、痛かったかもしれないと、そろそろとそこに舌を這わせる。


「…ファーストキスは………蓮だかんな」


唇が離れた時にそうそっと呟くと、シロが目を見開いた。


「ひ、ぁあああああぁ!!」


ずぐんっ!と物凄い勢いで穿たれて喘ぐ。
その勢いで何度も何度も腰を叩きつけられて、目の前が真っ白になりそうになる。


「真白、真白…っ」

「んあ!あっあっああぁ!」

「俺を、受け止めて…」

「ひぅっうぁあ…!!」


がつがつと動く腰について行けない。
シロの腹筋に時々ペニスが擦れて気持ちいい。
瞬く快楽に頭がおかしくなりそうだ。


「俺を…真白の物にして」

「ふ、ぇ…?」


今まで青葉には『お前は自分の物だ』と言われてきた。
その度に、まるで心の無い物体の様に扱ってやると言われているみたいで嫌だった。
シロはその事を知らない。
知らないのに、まるで知ってる様に俺を気遣ってくれる言い回しに心が震えた。


「俺は、あぁっ、俺は蓮の物だから…ぁあああぁああああっ!!」


そう答えると同時に奥まで突かれて、白濁を吐きだす。
びゅるっびゅっと尿道を精液が通っていく感覚に全身を戦慄かせる俺の脚の間でシロの腰が震えた。


「んっ…う…」


その漏れ出た掠れた声と同時にじわりと熱い感覚が奥で広がる。
…あ、中でピクピクしてる…

そんな事に幸せを感じる日が来るなんて、と満たされた心地で目を閉じた。





息が整うと、シロが額にキスしてきた。
本当は色々とまだ問題があるはずなのに、凄く心が軽い。


「…シロ」


名前を呼んだ声は酷く掠れていて、苦笑を浮かべた。


「ははっすごいこえ…」

「水を持ってくる、待ってろ…」


ちゅっと頬にキスを落として、後孔からペニスを抜かれる。
抜ける感覚にもぞくぞくと背筋が痺れて声が洩れないようにするのが大変だった。
それでも甘い息が鼻から洩れてしまった。

――…もう、一人でどうにかするのは止めよう。

ベットに転がってシロを待っている間、静かに決めた。
今までは俺が我慢すれば良いと思って来た。今でもそう思う。
でも、俺がこのままだとシロが傷つくんだ。
それは何よりも嫌だった。
…父さんにこの事がバレる事よりも。

ああでも、父さんがこの事を知ったらまた泣いてしまうんじゃないだろうか。
俺の所為で…
泣かせるだけじゃなくて、古醐宮の家の妨害を受けてしまったらどうしよう。
今は爺様が当主だけど、その次は青葉なんだ。
もしもシロにも何かが及んだら…

不安がまた大きくなってくる。

するとドアが開いて、ペットボトルの水を持ったシロが入ってきた。
ベッドに上がると、ギシリとスプリングが軋む。


「ありがとう…ひゃうっ?!」


今だけはと、不安を振り払い、身を起こして水を受け取ろうとして奇声を上げる。
腹に力を入れた事でごぷり…とシロの出したモノが後孔から溢れて垂れる感覚がした。


「あっ、零れる…っ」


慌てて腰を上げ、後孔に指を当てて漏れ出る白濁に蓋をしてしまう。
何も意識してなかった。
でも、無意識にそれが勿体ないと思って即座に起こした行動はとんでもない結果を招く事になる。


ゴトン


何か落ちる音にはっとシロを見ると、唖然とした表情でこちらを見ていた。
ペットボトルを持つ形に固定された手の中には何もない。


「あ…っ」

「真白…」


獣みたいな顔でじりじりと近づいてくるシロに後ずさる。
だけど後ろはベッドの背なわけで。


「ち、違う。違う!そういう意味じゃないっ」


何が違うのか自分でも分からないけど、なんだか身の危険を覚えて必死で否定する俺にシロが覆い被さった。
気が遠くなりそうな俺の目の端で、ぶんぶんと振られる尻尾が見えた気がした。



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