「…んぁ…シロ、もう良いよ…」
キスをしている間に痛みが遠のいた気がする。
「…もう少し…」
「っ、早くシたいんだって…言わせんなよ…っ」
まだじっとしていた方が、と俺を気遣ってくれるシロに真っ赤になって伝える。
こんなビンビンにしておいて俺だけ優先されるのなんてずるい。
照れ隠しに肩を叩くと、シロに荒々しくキスをされ、がむしゃらに咥内を貪られた。
「んむぅっ、んっんぅ―――!!!!」
それと同時に、ずじゅんっ!と勢い良く熱の残りが突き入れられる。
余りの衝動に背が反り、涙が零れた。
尻に毛が当たる感覚でシロの全てが埋まったのだと分かった。
はふはふと浅い息しか出来なくて、焦点が定まらない。
凄い質量だ。
存在感がありすぎるシロの熱に頭が侵されていく。
「ましろ…ましろ…」
嬉しそうに何度も名前を呼んで来るシロに答えたいが、ひくひくと痙攣する体を抑えるので精一杯だ。
シーツに立てている指を大きな手で包まれて、指を絡められる。
その仕草がまるで恋人のようで気恥ずかしく感じて、回らない頭の中、ふと考えた。
「ね…ぇ、シロ…」
「ん?」
直ぐに律動を始めようとはせずに、首筋や鎖骨に何度も唇を落として来るシロに聞く。
「おれたち、こい、びと…?」
これは恋人という事なんだろうか。
この指に絡まる温もりは、ずっと握っていても良い物?
ずっと、シロと…。
今更かもしれない。でも、何故か不安で仕方なかった。
「真白」
快楽で潤む瞳を向ける。
そこには精悍な顔を真面目な色で彩ったシロがいて
「好きだ。…俺と、ずっと一緒にいて欲しい。俺に…真白を守らせてくれ」
「…うん…っ」
その言葉が嬉しくて、嬉しくて、涙が止まらない。
「っふ、うれしい…」
シロの前でこんなに号泣してしまっている事が恥ずかしくて、照れ隠しに小さく笑みを浮かべて指に力を入れて握り返した。
「…ぅあ!?」
その途端、ぐぐっと中に挿入っていた熱が膨張した様に感じて背を反らす。
繋いでいた両手の内、右手だけ離されて腰を掴まれる。
「真白…ごめん」
限界だ。と告げたシロはギラギラとした目で俺を見下ろすと、腰を動かし始めた。
「あうっ、ひっあ、あっあっ!」
ゆっくり抜かれると、すぐに中に挿れられる。
優しく動かされていた腰は、すぐに肌と肌が叩きつけられる音に変わった。
パンッ パンッ パチュンッ パンッ
「ひっ、んっんんっ、ぅあっ」
固いソレで中をごりごりと抉られる事が堪らない快楽を引き出す。
おかしい。おかしい。
こんな気持ち良くなった事なんて、無かった。
怖いほどの快楽にがくがくと腰が揺れた。
「んぁっ、シロっ、シロ…」
縋る様に名前を呼べば、シロが熱を持った優しい眼差しでこっちを見る。
シャワー上がりで濡れた髪を軽く掻き上げ、汗か水か分からない水滴が顎から垂れるシロはとても色っぽくて、思わず後孔を締め付けてしまった。
片目を瞑って低く呻くその声さえ、格好良く思う。
自分の腰を掴んでいる腕に手を伸ばし、固い二の腕を掴んで前に引っ張る。
前に倒れる程の力は出ないのだけれど、シロが気付いて体を寄せてくれた。
「んっ、ん、んぁ…っ」
俺に応えつつも、絶対止まらない腰に上がりそうになる声を必死で殺して、僅かに身を起こし、シロの唇に自分から唇を重ねた。
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