「シロ…っ!」
「ん…」
「シロ、シロっシロ…!」
「ん…」
白と黒の髪にぐりぐりと頬を擦り付けて何度もシロの名前を呼ぶ。
その度嬉しそうにシロは返事をしてくれた。
わかった。何が違うのか。
いや、もしかしたらわかってないのかもしれない。
でもさっきとは少し違った意識を俺は持っていた。
「俺、シロが好き…っ」
「…うん」
「だ、だから…そ、の…」
「うん…」
「シロが俺にしてくれるだけじゃ、嫌、だ…」
小さく息を呑んだような音が耳元でしたと思ったら体を引き離される。
さっきと同じ意味合いでも、そこにある俺の意図を分かってくれたのだろう。
――ああ、どうしてお前はそんなに俺の事を分かってくれるんだろう。
軽く俯くシロの表情は暗さも相まって良く見えなかったが、「そう、だな…」という囁きは聞こえた。
顔を上げたシロの顔は今までとは全然違っていた。
「一緒に、な…」
欲情した雄の顔で俺を見つめていた。
「痛かったら…」
「うん、すぐに言うから…」
もう涙や汗やローションやらで全身がべたべたする。
それでもこの間にある熱はどこにも行ってくれなくて、ただ欲情しきった顔をお互いにし、息を荒げながら行為を続けた。
ひくひくと開閉するそこにシロが猛りきった熱を宛がう感触がする。
シロの表情は下を向いているから分からないけど、息を吐き上下する肩が一瞬強張り、割れた腹筋に力が入ったと思った瞬間。
「――――っ、ああ!!」
「…っふ、っく…」
ぐぷり…と切っ先が中を押し広げて挿入ってくるのが分かる。
馴染みとなってしまったその感覚が、いつもと違うのは好きな人の物だからだけじゃなく
――で、か…っ。
みりみりと肉をかき分ける熱を放つそれが、青葉のよりも大きい。
青葉だって認めたくは無いが、それなりのサイズだったと思うのに…。
「…っは、はぁ…っ」
想像していた物よりもずっと大きかったそれに体を割られる痛みを紛らわせる様に大きく息をついた。
それに気づいたシロが腰を進めるのを止めて、じっとこっちを見る。
「…痛い?」
「ううん………ちょ、ちょっとだけ…」
すぐに否定するが、その後に少しだけ肯定する。
その方が…正直にシロに伝えないといけない気がして。
シロも、『痛い』と口にした方が目を細めてくれた。
「…じゃあ、じっとしてるから…」
「ん…」
動きを止めたまま、覆いかぶさってきたシロとキスをする。
最初は触れるだけのキスから、舌を絡め合う深いキスへ。
ちゅくちゅくと音を鳴らして舌を吸われる度にとろとろと意識が蕩けていく。
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