妖 

・妖 (あやかし)

主に「妖」、「人ならざるモノ」と呼ばれる。
(妖と幽霊は違う物と分類されるが、人ならざるモノと一括りにして呼ばれる事も)

己の本当の名前(真名(まな))を与える事は命を与えるのと同じ事で、与えたら最後その相手の命令には逆らえない。
(正し、お互いに名前を与え合った時は同等の立場にいる事になるのでそれは当て嵌まらない)
その為名乗る時は大抵、仮名(かりな)である。
仮名は自分でつける事が主だが、真名は生まれながらに持っている。
名前に重きを置いているように言霊にも重きを置いているので嘘は絶対に言わない。(「言えない」に近い。)

陰に生きるモノが妖で、陽に生きるモノが人間である。
故に妖は人間に惹かれる性質を持っている。
その惹かれる想いが強すぎ、曲がり淀んでしまうと人間を食うという行為に走ってしまう。
人間を食った妖は瞳が紅になり、『堕ちたモノ』と呼ばれ妖の間でも忌み嫌われる。

妖は人型・動物型・無機物型・幻獣型、力の大きさにより上位、中位、下位と分けられる。
上位である物は希少なモノが殆ど。(ただし希少なモノであれば上位という訳では無い)
上位の中でも年月を重ね更に力を持ったモノは神格と呼ばれる。神格レベルの妖は祭られている事が主。(例:狗神)
上位、神格で無くても地域で小さな神として崇められる妖もいる。それを『祠持ち(ほこらもち)』と呼ぶ。
祠持ちの妖、上位、神格の妖は自分の空間を持っていて、そこに潜んでいる事が多い。
力を持った妖は周りに与える影響が大きい為に、一所に留まる場合何かしらの役割でもない限りそこの土地に住まう妖を纏める土地神(とちがみ)にならなければいけない。
主に上位は幻獣型と年代を重ねた動物型、それと一握りの人型がなれる。


動物の様に赤子から成長して…という生態は例外を除いて取っていない。
成長し、年をとる事も可能だが見た目の年齢は個人の意思によって変える事が可能なため、見た目で判断は出来ない。(そもそも、人間の年の取り方と異なる。死ぬ時の姿が年老いているとは限らない)
気付けばそこにいて、役割を与えられているといるというモノが妖である。
生まれた時から意識がある。(というよりも、意識がある事が『生まれた』という事)

生殖は行わない。
雌雄がはっきりしていない妖もいる。(例:付喪神)
なので同じ役割を持った同胞はいても親という物は殆どいない。(兄弟姉妹という存在はあるが)
しかし元が人型、動物霊だと生殖器がついている為性行為自体は可能である。
が、生殖の必要は無い為に性欲が薄いモノが大半である。
時々稀に人と妖の間に半人半妖の子供が生まれる事がある。(鬼子(おにご)と呼ばれる)
何故か妖同士の間には子が産まれる事が無い。
妖も同じ妖と交わるよりも人と交わる事を好む傾向がある。

個々により寿命は違うが、人間とは比べものにならない程長く生きる。
死ぬと(例外を除いて)肉体は残らない。そもそも肉体が無い。
なので「死ぬ」というよりも「消滅」の方が正しい。
人間は一度死ぬと転生して生まれ変わる事が可能なのだが、妖は消滅するため輪廻の輪に入る事が出来ない。

『一度きりの魂。』


動物型と幻獣型の妖の違い。

動物が年月を経て妖になったのを「動物型」、通常には存在しない獣の姿をとる妖を「幻獣型」と呼ぶ。
動物型の物は殆ど下位で、この妖の類のみ死んだ際に元の動物の肉体が残る。(ただし妖になってしまった時点で転生は出来ない)
主に『化けて出る』と呼ばれる。
例外的に狐狗狸(こっくり)と呼ばれる狐、狗、狸の獣は年月を経ると幻獣型に分類される。そうなると中位、上位に分類される事も稀では無く、中には神格にまでなる事もある。
ただし幻獣型になった動物型の妖は死んでも肉体が残らない。



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