KとC
「出かける?」
「あぁ。留守番を頼む」
帰ってすぐに、お父さんに明日出かけると伝えられた。掃除しに来た蘭お姉さん達の話に気になることがあって、それを調べに行くって。
「純歌ちゃんも連れてくのか?」
「…来るか?」
【どこに行くの?】
「波土禄道っていうミュージシャンのライブのリハーサルに…」
「何かあったのか?」
その波土禄道という人は今度17年前に作った「アサカ」というタイトルの新曲を出すらしい。それは先週、ネット上にアルファベット表記でネットに発表されたそうだが、「アサカ」の「カ」の字が「KA」ではなく「CA」だったと。
お父さんが言うには、それは怖い人達に繋がる「何か」と同じで、先週発表されたということは既にその人達も知っているだろうからと調べに行くんだって。
「そ、それじゃあもしかすると組織の一員が来るかもしれないじゃないか!そんなところに純歌ちゃんを連れていけないだろ!」
「あぁ。そう思ったんだが…恐らくジンやウォッカ、コルンとキャンティ達は性格上来ないだろう。アイツらは調査に不向きだ」
「…確かに」
「来るとすれば、キールかベルモット…バーボンだろう」
キールさんは知ってる。今はお仕事をおやすみしてる、水無怜奈っていうアナウンサーの人で、お父さんや景光さんと同じ怖い人達を調べるために潜入捜査していた人。景光さんが来る前にお父さんに紹介してもらって、連絡先も携帯に入れてもらってる。
バーボンとベルモットって人は知らない。でも、どちらかが景光さんの大事な人なのかなって事は、景光さんの反応で分かった。バーボンって聞いて、なんか、悲しそうな顔してる。
「純歌より、君の方が危ない。だから今回は俺が行くよ。純歌も、気分転換になるかもしれないしな」
「お前が行くのはいいけど…本当に純歌ちゃんを連れて行って大丈夫なのか?」
「今潜入捜査は大体キールかバーボン、ベルモットだ。稀にウォッカもいたが、この四人は基本一般人には手を出さない奴らだ。警戒するに越したことはないが、ジン達よりは安心して大丈夫だろう」
「う、うーん…純歌ちゃんは、行きたい?」
聞かれて、少し悩んでから「お父さんがいいなら」ってノートに書いて見せる。何かあってもお父さんがいるなら大丈夫だと思うし、蘭お姉さんが来るならコナン君も来るだろうし。
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