朝の散歩

「あ、珠雨お姉さん!おはようございます!」

『おはよう』


朝、ハロちゃんの散歩をしていたら急にハロちゃんが吠えだして近くの公園へ駆け出した。遊びたいのかと思ったけどそこにあったのは頭から血を流している女性で、すぐに110番通報。近くの張り込みが終わって帰るところだったらしい高木刑事と佐藤刑事が駆け付けた。

事情を説明してるところに交通課の女性警察官が二人来て、被害者が警視庁交通部交通執行課の百崎橙子さんだということが判明した。
交通課の二人が来たのと同じ頃に、登校中らしいコナン君達も規制線の向こうで野次馬と一緒に現場を遠くから見ていた。


「でも彼女、確か柔道三段の持ち主よ…そういえば三池、昨夜百崎達とカラオケ行くって言ってなかった?」

「は、はい…でも私はそこで酔っ払っちゃって…一緒にカラオケに行った八木さんに家まで送ってもらったことしか覚えてなくて…」


三池と呼ばれたお下げ髪の女性警察官は百崎さんと仲が良かったようで、到着して遺体を確認後からずっと泣いている。そんな彼女を心配してハロちゃんもクンクン鳴いていた。


「とりあえず、珠雨ちゃんはこれから事情聴取で警視庁に来てもらうけど…今日、病院で検査とかある?あるなら後日でも大丈夫なんだけど」

『ううん、大丈夫。でもこの子を家に連れて帰ってからでもいい?』

「ええ、大丈夫よ。でも犯人の手がかりがこの曲げられた百円玉だけとはね…」

「手がかりなら他にもあるじゃない!」


規制線の向こうでお姉ちゃん達と一緒に現場を見ていたコナン君が、いつの間にか入ってきてそう言った。
コナン君は、遺体の左手の中指と薬指、小指の第一関節に擦り傷があり、手のひらの下の方にも同様に擦り傷があるのに、体を引きずった後がない事を指摘した。おそらく人差し指で何かを指していたけど、誰かが蹴るなどして体の横にズレたから擦り傷が出来たんじゃないかと。人差し指の先には少しだけだけど血が付いていて、遺体の顔の先に血が擦れたような跡が残っているから、指しているのはブランコがある方向。


『ブランコ?』

「どういう意味?」


佐藤刑事と一緒に首を傾げていれば、公園の入口付近で女の人が入ろうとして止められていた。その人も警察官で、昨夜苗子さんと百崎さんの二人と一緒にカラオケに行ったそうで。現場に入ってきて昨夜の事を詳しく佐藤刑事に話をしてくれた。


『高木刑事』

「ん?どうかした?」

『一旦この子帰らせてもいい?足も疲れてきちゃった』

「ああ、それなら送っていくよ。そういえば、今日は学校じゃないの?」

『今日は午後に行くの。聴取が長引いたらお休みになるけど』


そう伝えると、高木刑事は「なら早く行こっか」と言って佐藤刑事に送ることを伝えてから、着いてくるように言ってきた。公園から少し離れたところに車が停まっていて、「どうぞ」と後部座席の扉を開けてくれた。ハロちゃんを抱えて乗り込んで、住所を伝えれば高木刑事はカーナビに入力して車を発進させた。
家に着いて、ハロちゃんの足を拭いたりお水をあげたり、お散歩道具の片付けをしてから急いで制服に着替えて、また高木刑事が待ってくれてる車に戻った。


「そんなに急がなくても良かったのに」

『だって待ってくれてるから』


少し息が上がって暑かったから、手でパタパタと顔に風を送っていたら、高木刑事に笑われた。
この時期は何しても暑いから、すぐに息上がっちゃうんだよね。足も蒸れるし。

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