手帳

「現場に不審者はおらず、勝手口や窓は全て内側から施錠されていたんだな?」

「は、はい!その通りであります!」


目暮警部が立野巡査に再確認した。
つまり、現場に出入りしたのは甲斐谷さんと九栄さんの2人だけということ。

…ではあるものの、何かが引っかかる。

現場の証拠品を見れば、血塗れの座布団がある。恐らく犯人が返り血を防ぐために使ったものだと思われる。そんな冷静な事があの二人に可能なのかな、と。


「そういえば、差し歯は見つかった?」

「どうなんだ?」

「現場では発見されてないようです」

「犯人と揉み合った時に抜け落ちたとしたら、犯人の衣服に付着している可能性もありますね」

「でも、2人の衣服には無かったわ」

「ですが、一度現場を離れた九栄さんなら、どこかに捨てたという事も有り得るのでは?」


無いわ。
九栄さんの話し方からして、そんな事しないと思う。あれが演技だったら話は別だけど。

目暮警部が千葉刑事に、被害者の手帳から交友関係を調べるようにと、大岡さんの手帳を渡した時、コナン君が何かに気が付いたようだった。


『どうしたの、コナン君』

「あ、いや…大岡さんの手帳、「○オカ」って書いてて、何かなって」

『○オカ?……あぁ、』


理解したと同時に、コナン君も分かったようで、机の上にあるカレンダーに駆け寄っていた。

つまり、被害者の書いた「K」はダイイングメッセージであり、イニシャルではない。

コナン君を見ると、彼も何か分かったような顔をして、部屋から出ていった。

なるほど、彼がそうなのか。

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