ミステリートレイン

ミステリートレインの出発日。ベルモットお姉さんとの待ち合わせ場所に向かうと、右目を火傷したかっこいいお兄さんに変装したお姉さんがいた。
三人で乗車してすぐに列車は走り出し、「シェリーを探す」と部屋を出る。ウロウロしていると怪しまれるからと、お兄ちゃんは私も連れ出した。暫くすると、車内で事故があったとのアナウンスが流れ、急いでお姉ちゃんを探し出す事になった。


「あれ?あなたも乗ってたんですね!安室さん!珠雨ちゃんも!」

「あー!珠雨お姉さんだー!!」


車内を歩き回っていると、まさかの蘭ちゃんと出会った。後ろにはコナン君や歩美ちゃん達もいて、困ったことにお姉ちゃんもいる。
ベルモットお姉さんも一緒に歩いてて、お姉ちゃんの横通り過ぎたし、多分幼児化してるのわかってると思うから後でジンお兄さんにでも見つけたと報告するんじゃないかな。


「ええ!ネットでうまく競り落とせたんで…」

「誰、このイケメン?」

「前に話したお父さんの弟子になりたいって探偵さんで、珠雨ちゃんのお兄さんよ!」

「初めまして、鈴木園子でーす!安室さんとも話すのは初めましてよね?」

『多分?』

「よろしくね!」


そう言ったのはこのベルツリー急行のオーナーである鈴木財閥のご令嬢、鈴木園子ちゃん。


「それで、車内で事故があったようですけど…なにか聞いてます?」

「それが殺人事件があったみたいで…今、世良さんとコナン君が現場に…」


すぐ殺人事件に巻き込まれるなあの子。

ボーッとお兄ちゃんと蘭ちゃん達の会話を聞いていると、隣の扉が少し開いた。そっちを見ると私達の方を覗いている昴さんがいて、思わず2度見してしまった。そんな私に気付いた昴さんは、口元に人差し指を当てて、静かにとジェスチャーして、少し部屋の中を見せてくれた。

中には女性が一人いて、私に気づくと手を振ってくれた。有希子さんだ。兄に気付かれないように小さく手を振り返すと、昴さんは扉を閉めた。


「じゃあ…少し気になるけど、あまり先生のお邪魔になるのも悪いから、部屋に戻ろうか」

『うん、そうだね』

「それでは蘭さん、また」

「はい!」


蘭ちゃんと別れて、すぐにベルモットお姉さんの行った方向へ向かう。


「しかし困った…もし最寄り駅で停車するなら急がなくては…」

『…多分組織は始末したいんだと思うけど、どうするの?』

「保護するさ。殺させはしない。その為に君も連れていくことを提案したんだから」

『私、働く気無いですけど』

「少しだけだから、ねっ」

『うざ…』

「……本当に昔から僕の事嫌いだよな、お前…」

『そんなことないでーす』


昔は好きだったわ。

というか保護するくらい自分でも出来るでしょう。私がやれる事と言ったら、ベルモットお姉さんや兄が動き出した時に、昴さんに連絡するくらいしかやること無さそう。
まぁ、ベルモットお姉さんは既に動き出してるみたいだけど。

お姉さんより遅れて部屋に着いた。車椅子から下ろされ、ソファに座らされる。兄は車椅子を畳んで窓際に置き、私の横にベルモットお姉さんが座った。


「ねぇ珠雨。列車に乗る前にあのボウヤ達と一緒にいた帽子を被ってた子がいたんだけど…この子の名前わかる?」


ベルモットお姉さんが携帯で撮った写真を見せてくれた。そこに写っているのは真純ちゃん。


『あぁ、世良真純ちゃんだよ』

「世良真純…?」

『同じクラスの女の子だよ』

「あら、女の子なの」

『…お姉さん、その顔で地声で話すのやめて欲しい…』

「あら、ごめんなさい。不愉快だったかしら?」

『いや、面白いから…』


秀一さんにそっくりな顔で、声はベルモットお姉さんなんだもん。面白くないわけないじゃん。

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