聴取

事情聴取の結果、2人は被害者からお金を揺すられていた事が分かった。

最初に被害者宅に入った久栄克敏さんは、7年程前に賭け麻雀にハマっており、雀荘が摘発され客であった彼も逮捕。被害者も常連だったが運良く逮捕を免れたそうで。
それ以来、久栄さんは賭け事は一切しなくなり、真面目に働いていたものの、2年前偶然被害者に会い、賭け麻雀の事を理由に揺すられるようになったんだと言う。
半年前に娘さんの結婚が決まってからは更に要求がエスカレートし、娘の結婚までめちゃくちゃにされると思い、殺人を計画したものの、揉み合っている最中に被害者の手を切り、その血を見て怖くなって逃げ出したと。

現場に落ちていた包丁は久栄さんのものらしい。

甲斐谷さんは、去年就活中になかなか仕事が決まらず、ノイローゼになってしまい、何を思ったのか万引きを繰り替えしていたら被害者に見つかり、「黙ってているから金を」と揺すられるようになったんだとか。
就職してからは、金があるんならと今までの倍の金額を要求されるようになり、わざわざ十王市にある彼女の職場に処方箋を持ってきたりとされ、怖くなり、重い病気にでもなればと、職場から人体に影響のでる薬を持ち出したと。

カバンからその薬が見つかったらしい。

2人は毎月決まった日時に金を渡しに行くらしいが、今日は「親戚の葬式があるから」と、久栄さんは新幹線代、甲斐谷さんはホテル代を要求され会いに行ったようだ。

取り調べが終わり、2人はその場で待機。会議室に移動し、取り調べた事をホワイトボードにまとめた。


「ふむ…被害者が揺すりをしていたとはな」

『まだ、揺すりの被害者いそうだね』

「ですね…被害者の大岡さんは、海外のカジノにハマっていたそうです」

「カジノ?」

「譲りは、その資金を稼ぐためだったと」


揺すり取ったお金でカジノだなんて、なんて人。
過去に賭け麻雀をしてた九栄さんや、ノイローゼだったとはいえ万引きをした甲斐谷さんも悪いけど、それをネタに揺すりをしているなんて言語道断。

だけど、今一番の悪人は、殺人犯だ。


「ねぇ、このカレンダー」

「ん?」

「大岡さん家のだよね?所々変なことが書かれてあるよ?」


コナン君が、机の上に置いてあるカレンダーを見てそう言った。カレンダーの日付の下に、「新宿」や「100」、「758」などの暗号のようなものが書かれていた。

恐らく揺すりと関係ありそうだけど、何かが分からない。


「おい、帽子汚れてるぞ?」

「え?……あ、」


立野巡査は来月から刑事になる予定で、小五郎さんは巡査にこの空気に慣れるように声をかけていた。その時、帽子に何か埃のようなものが付いているのに気づいて、それを小五郎さんが教えると、巡査は帽子を取って叩いてそれを床に落としていた。

帽子の頭頂部分辺りの汚れ落とす時って、普通頭頂部を上にして叩くと思うんだけど、巡査は頭頂部を下にしたまま叩いた。

叩く前に何か見てたみたいだけど、もしかして帽子の中に、何かある?


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