お名前

結局、鬼塚教官は大事を取ってその日は勉強無しということになり、そのまま私も帰宅する事になった。


「すみません、わざわざ来て頂いてるのに…」

『教えて貰ってるのは私だし、しょうがないよ。鬼塚さんにお大事にって伝えてくれる?』

「はい、勿論です」

『ここまでで大丈夫だよ。いつもありがとう』

「はい、それでは」


いつもお見送りしてくれる人と別れて外の門まで向かう途中。さっき地面に座って何かを弄ってた人と、それを待っていた人。あともう一人の三人と出会った。


「お前、さっきの」

『カチャカチャしてた人だ』

「なんであんな無茶な事したんだ?」

『無茶な事しないと助からなかったでしょ。それに失敗した頃には、あなたが組み立ててた銃出来てたでしょ?』

「教官かその下の作業員に当たるかもって思わなかった?」

『そんな不安抱いてたらまず銃なんて持てない』

「ほー…」

『もう帰ってもいい?』

「あっ、最後にひとつだけ!」

『なに?』

「お名前教えて?」

「お前…」


明らかにモテるけど女遊びが激しそうな顔の人が、にっこり笑って手を差し出してきた。
「名前教えて仲良くしよう」の握手っていう認識で良いのかな。


『名前くらい別にいいけど』

「ホント?やった!俺は萩原研二!こっちが松田陣平で、こっちが降谷零!キミは?」

『東条澪』

「澪ちゃんね」

『もういい?もうすぐお薬の時間だから』

「うん、ありがとう。また今度会ったらお話しようね!」


ヒラヒラ〜って手を振った萩原研二さんに、手を振り返して病院に帰る。
あの人達が、鬼塚さんが話してた癖の強い生徒かな。名前聞いたことあったし。

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