鑑識写真

「はいこれ、資料書」


次の日、零さんに連れられてドライブ中。大きめの封筒を渡された。珍しくドライブに行こうとか言うからなんだと思ってたけど、資料書見せるための口実だったとは。
中を見ればそれは小五郎さんが起訴された事件の捜査資料で、現場鑑定書と現場鑑識写真が入っていた。


『見ていいの?』

「ダメなものは抜いてるから大丈夫」

『ふぅん』


鑑識写真を一枚ずつ見ていく。爆発現場に毛利小五郎の炭化指紋。高圧ケーブル爆破片。その途中で不詳と書かれた写真を見つけた。それは黒っぽいガラス片の写真で、零さんに何か聞いたら「爆発箇所に置いてあった備品の欠片だと思う」と言われた。じゃあ黒いのは煤か焦げたかで付いたのかな。


「何か分かった?」

『分かるなら裁判する必要ないでしょ』

「そうだね。ところで、あの弁護士の事なんだけど」

『なんであの人あんなにも起訴望んでるの』

「やっぱりそう感じる?」

『多分コナン君も妃さんもそう感じてるよ』


無罪にするように言われたのなら、起訴は望まない。余程自分の弁護に自信があるのならまだ分かるが、あの人は負け続きだと違う方向に自信がある。
「絶対に起訴される。そうしたら私は100%負ける」と言って蘭ちゃんを不安がらせているように見えた。零さんも、盗聴しているからそこら辺は分かっているんだろう。首を傾げて彼女の意図が分からないと言った。


「彼女に関しても何かしら調べなくてはならないな」

『あの人の経歴まとめてくれたら、私やるよ』

「いいの?じゃあお願いしようかな」

『今日お魚がいい』

「だと思った…でもそうだな、最近魚食べてないしいいかもね。何がいい?」

『鯖がいいな』

「いいね」


そんな話をしながらも鑑定書類を見進める。最初に見た不詳のガラス片以外気になるものは無く、特に得られる情報も無かった。


『そういえば、裕也さんに聞いたんだけどネットワーク調べるように言ったんだってね』

「ああ。ガス栓にネットでアクセス出来る事に気付いてね。それを使った爆破テロの可能性を考えて指示を出してたんだ」

『そしたら爆発したってこと…』


今ってガス栓にネットからアクセスするとか出来るんだ…知らなかった。でもそっか、最近はエアコンとか家の電気とかもネットから電源付けるとか出来る時代だし、出来ても不思議では無いのか。

そして今はそのアクセス元を調べてるってことなんだ。


『…やっぱり私があの弁護士監視する必要ないんじゃない?』

「念の為だよ、念の為」


笑ってそう言う零さんに小さくため息を吐いた。

私が見張らなくても、その内勝手にボロ出しそうな感じだけどね。

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