追加

小五郎さんが逮捕されてから三日目。今日も妃法律事務にお邪魔していた。妃さんから「お友達がいた方が娘も安心できるだろうから是非」ってお願いされて、蘭ちゃんからは「珠雨ちゃんがには懐いてるから、いてくれたらコナン君も少しは安心するだろうから」って言われた。コナン君はどうやら夜遅くまで事件の事を調べていたみたいで、蘭ちゃんは心配で仕方ないんだろう。


「多分、新一に連絡してくれてるんだと思うんだけど…あ、コナン君ね。こういう時に新一に事件の詳細送って、助けてもらうの。私より連絡早いから、私が送らなくてももう知ってるんだ」

『仲良いんだね』

「遠い親戚みたいだし…」

『じゃなくて、蘭ちゃんと工藤君が』

「え!?そ、う、まあ…幼なじみだし…?」


恥ずかしそうにモジモジする蘭ちゃんの後ろで、コナン君が顔真っ赤にしてるのが見えた。どう見たって両想いだろうに、何故付き合ってないのか。幼なじみの壁かな。素直になれないって聞くよね。

そんな話をしていると、扉がノックされた。蘭ちゃんのお母さんが「どうぞ」と言えば、昨日の警部さんが入ってくる。


「追加の捜査を求められた?」


どうやら日下部検事が追加捜査を求めてきたらしいが、公安警察は起訴を決めたらしいと言うことを報告に来てくれたらしい。


「ちょっと、なんで警察が起訴に口出すの?警察は検察に監督される立場のはずでしょう」

『公安だからじゃない?』

「…そっか、そうだったわね」

「公安部については、検察の刑事部や特捜部と違って、少し事情が異なりますから」


「公安だから」で進んだ話に蘭ちゃんとコナン君はきょとんとしていた。それを見た境子さんは二人に分かりやすく説明をしてあげた。
公安は「警視庁」「警察庁」「検察庁」のそれぞれにあり、警察が捜査した結果を検察が改めて調べ、容疑者を起訴するかどうかはこの検察の調べを踏まえて検察官が判断する。だけど検察の公安の場合は「公安的配慮」が存在する。検察の公安と警察の公安の間には、捜査員の人数とかその他諸々が雲泥の差がありすぎるからね。


「特にサミット会場の爆破なんて、公安警察の顔に泥を塗ったも同じ。必ず起訴しろという圧力が容易に想像出来ます」

「それじゃあ、お父さんは…」

「きっと、起訴されます」


境子さんの言葉に蘭ちゃんは落胆する。不安を煽るような言葉で、言うこの人は本当に協力者なのだろうか。

長居してもやれることは無いからと、事務所を後にする。また明日、体調良かったらおいでと言われて妃さんと蘭ちゃん達に見送ってもらった。
夜からはポアロの買い出しに梓さんと行くから、ついておいでってお兄ちゃんに言われてたしそろそろ帰っておかないとね。

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