友達

「そういえばさ」


一通り話を聞き終えておまけの平次君の写真も見た後、お手伝いさんが出してくれた紅茶を飲み終えたコナン君がふと思いついたのか口を開いた。


「珠雨さんって、「安室珠雨」だと17歳で、実年齢23歳なんだよね?」

『そうだよ?』

「いつから年齢偽ってるの?」

『成人前かな』

「組織にバレそうになった事ってないの?」

『うん、特に。あ、でも一回探り入れられたことはあるよ』

「どんな?」


組織内で零さんとチームを組んでた景兄がNOCバレして、その後また同じチームだった秀一さんもNOCバレ。だから零さんもNOCなんじゃないかって疑いが出て、私にも色々探りが入った。その色々聞かれた時にラムのおじ様と対面したかな。
景兄の名前や所属組織は言えないからと伝えた上で、それをコナン君に話すと「赤井さんと安室さんチームだったんだ…」と意外そうな顔で、でもどこか納得したような顔のコナン君。あれだけ仲悪かったら何かしら繋がりあるだろうけど、仲悪すぎて想像つかないよね。


「その、消されたひとりって、もしかして友達だった?」

『うん。高明さんと同じくらい大事な人でもあったよ』

「へぇ…」


高明さんの弟だからね。研二さん達と同じくらい大事な友達だけど、その中でも一番大事な友達だった。


「珠雨さんってさ、「安室珠雨」としての友達とかは沢山いるじゃん」

『そうだね』

「「東条澪」としての友達ってどれくらいいるの?多かったら不便じゃない?」

『んー…っとねぇ…』


思いつく限りの人達を指折りで数えていく。研二さんでしょ、陣平さんでしょ。景兄に、航さんと零さん。平次君と、秀一さんも入るかな?……あれ、女の子いなくない?


『亡くなった人含めたら七人かな…?』

「思った以上に少ないんだね」

『ほぼ病院生活だったし、自宅療養出来るようになってからは警察学校に入り浸ってたからね。顔馴染みはそこそこいるけど、お友達は七人くらいかな』

「元に戻ったら、俺もそこに入れたりする?」

『そうだねぇ…「江戸川コナン」は「安室珠雨」の友達だから、すぐに入ると思うよ。その頃には全部終わってるだろうから、友達多くて不便は無いしね』

「そうだね」

『その間に私はコナン君と沢山遊ぼうかな』


そう言ってギューってするとコナン君は慌てたように私を離そうとする。ただ今は子供の体だから力には勝てなくてなかなか離れない。なるほど、高明さんと私の力の差ってこんな感じなんだ。強い側になって分かった、見てるの楽しいこれ。


「そ、そういえばさ!」

『うん?』

「博士がドローンを作ったらしくて、東京サミットの日は安室さん警備でいないでしょ?よかったら珠雨さん一緒に遊ばない?」

『いいの?』

「うん。きっと子供達も喜ぶし、灰原も珠雨さんなら文句は無いだろうし」

『うーん…じゃあ少しだけお邪魔しようかな。サミット二日目から私いないしね』

「あー、定期検査?」

『ううん、長野』


零さんも裕也さんも、眞鍋さんも警備に回るから私を見る人がいなくなる。何かあった時に困るからと、その間の監視兼護衛に高明さんが選ばれた。長野県警には重要人物の一時護衛と説明しているらしいけど、本人には父から連絡していて、護衛と言えど特にやる事はないから、サミット中はほぼ休み同然でいいと伝えられているんだとか。


「サミット中に組織に動きがあった場合の護衛って事?」

『そういうこと。あの人今でもジンお兄さんに疑われてるから』

「え、そうなの?」

『情報収集は早いわ、銃は扱えるわ、格闘技はお手の物だわ、ハニトラは出来るわ、顔はいいわ、知識がありすぎるわでそんな人間疑われて当然だと思う』

「…確かに…」


息をするように嘘吐くけど絶対それを成功させるんだから疑われて当然な気もする。あんな完璧人間気持ち悪いでしょ。私でも疑う。

|

[ 戻る ]






×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -