ハリポタ 僕らの時代 番外 | ナノ
拍手ログ4
〜あらすじ〜
スリザリン生で鬼ごっこをする事になりました。
リドル君は鬼
ナチ君は人間
人間は魔法及び魔法道具禁止です。
(拍手ログ3参照)
「はぁ、疲れた」
鬼がスリザリン寮から出るまで、後三分。
全力疾走して、ようやく逃げ込んだのは普通なら知らない部屋。
鬼ごっこは日没までだから、後一時間半といったところか。
でも、此処なら見つからないだろう。
リドルに教えてないしね。
人間役は散り散りばらばらに逃げたから、鬼役はまずそちらとの追い掛けっこするだろう。
どうやって時間を潰そうかな。
魔法の使用禁止は鬼から逃げる時だし、今は使っても良いだろう。
失神呪文に切り裂き呪文。
それから何を、打 撃とうかな。
自分一人では防御魔法を練習しても意味が無いし。
まぁ良いか。
一人で魔法の練習なんてそうそう出来ないから、今日はやりたいだけやろう。
懐中時計をポケットから取り出す。
結構な時間が経っていて、後三十分で日没の時間。
「んー」
伸びをすると、肩がパキ、と鳴った。
後三十分どうしようかな。
魔法練習して少し疲れたから、寝て過ごそうか。
「暇そうだね」
コツ、という足音がして、すぐに横に跳躍すると、僕が元いた場所に光線が走った。
「流石、反射神経は良いね」
「お褒め預かり光栄ってね。どうして此処だって分かったの?」
「ハッフルパフの子が教えてくれたよ」
「あー……」
そういえば、誰か居たような、居なかったような。
でもまさか、ハッフルパフの子に聞くなんて思いもしなかったよ。
流石リドルというべきかね。
「ま、そんな事は良いとして、おとなしく僕に捕まりな」
「残念だけど、従順じゃないんだ」
「だろうね。ステューピファイ!」
今度は逆に跳躍する。
ステューピファイって、さっきまで僕も練習していたよ。
麻痺させる呪文だ。
普通、鬼ごっこなら、動きを止めさせるとか、それくらいじゃない?
柱に隠れるように身を潜めると、エクスパルソ!と言うリドルの声と一緒に、柱の一部が粉砕した。
「爆発呪文って、何考えてるのさリドル!」
「鬼は人間を襲うものだろう?人間が野鳥を打ち殺すのと同じさ」
「いや、これはただの遊びだから」
「僕は遊びであっても手を抜かないよ。大丈夫、死なない程度にしてるから」
ああもう本当に、リドルってプライドが高いね。
どうしようか。
どうするも何も、方法は一つしか無いんだけどね。
部屋の扉を見る。
結構近い。
走ればどうにかなるだろう。
でも、相手はリドルだ。
背中を向けて逃げてみろ、魔法を撃たれて終わる。
どうやって逃げたら良いのやら。
ナチ、と名前を呼ばれる。
「いい加減諦めなよ」
「そう言われてもね、僕もリドル同様に諦めは悪いんだよ」
隠し持っていた手榴弾を床に叩きつける。
すると濃い煙が発生して、視界が真っ白になった。
これは凄い。
マグルは面白い物を作るね。
「魔法道具は使わないって約束だろ!」
リドルの怒鳴り声が部屋に反響する。
「マグルのアイテムだよ!」
僕も大きな声で言って、部屋から飛び出す。
部屋に入る前に仕掛けたしかけにリドルが引っ掛かれば良いけれど。
「ナチ!待て!」
白い煙の中から現れたリドルは、足元に足を引っ掛ける紐があると気付かずに
「うわっ!」
見事に転んだ。
その間に階段を二段とばしで上れば、階下から物騒な発言が聞こえた。
「ペトリファカス・トラタス!(石になれ!)」
「うわっ!」
慌てて屈めば階段を駆けてくる足音。
まずい、追ってきている。
新しい部屋に逃げ込もうとしたら、後ろからコロポータス!という言葉。
扉に当たった光線に驚きつつ扉を引っ張れば、開かない。
「ナチともあろう者が、こんな呪文も知らないなんてね」
「逃げるのに必死だったんだよ。扉が開かないようにする呪文でしょ?」
「正解。さて、と。よくもこの僕を、転ばせてくれたね」
杖を向けられる。
マズイ。本気だ。
「ナチにはしっかりと、償ってもらうよ?」
にこりと、それはもう綺麗な笑顔が向けられて背筋が凍り付く。
これが今この状況下でなければ、どれだけ良いだろう。
僕だって笑顔を向けられただろうね。
残念ながら、命の危険を感じて笑えない。
「ナチ」
「……何かな?」
リドルは嘲笑。
嗚呼、さよなら、僕の人生。
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