真昼間からカーテンを閉ざして、ひやりと冷たい床に腰を下ろす。 自然と上がる息と、額を伝う汗裾でをぐっと拭う。 「名前…」 「ダメ、まだ動いちゃ」 切なげにこちらに視線を向ける翔ちゃんにごくりと口内の唾を飲み込む。 酷く喉が渇く。 「もう、いい加減に…」 「あと一枚」 カシャッ。 シャッター音が鳴り止んだ途端、翔ちゃんはガタッと立ち上がりそして「うわーーーーーーっ」と叫んだ。 「お疲れ翔ちゃん!可愛かったよ!」 「ふっざけんなよ!お前!その写真どうする気だちくしょう!」 「どうって…焼き増ししてなっちゃんにあげるのと、引き伸ばしてポスターにして寝室に貼るのと…」 「おっ、お前バカじゃねえの!」 「ああっそんなに脚開いたら翔ちゃんのパ、パンツが見えちゃう!!」 「破廉恥!」とパッと掌で顔を覆う。 「指の間から見てんじゃねえか!」 「え?バレてる?」 「お前が見ないわけがねえ」 「やだなぁ、まるで私が変態みたいじゃない」 「変態だろ、こんな格好させやがって」 翔ちゃんは苦々しい顔でセーラー服の裾を摘んで見せた。 私の彼氏である来栖翔くん(男)はとてつもなく可愛い。 すんごい可愛いたまらなく可愛い目に入れても痛くないくらい可愛い。 かっこいい格好をしてても可愛くて仕方ないけれど、何より翔ちゃんが恥ずかしがって頬を赤らめ涙ぐむその姿が最上級に可愛いのだ。 そのため突然部屋に押し掛け「お願い翔ちゃんこれ着て?」と赤いスカーフに紺の襟、プリーツスカートの王道セーラー服を突き出せば、最初はもちろんイヤイヤ言う翔ちゃんだけれどなんだかんだ言って優しい彼は最後には仕方ねーなと首を縦に振ってくれるのだ。 そうして暗い部屋の中で撮影会を行っていたのである。 テーマはそう、「真夏、昼下がりの彼氏の部屋で初めての体験~シャワーはあ・と・で~」だ。 それを始めに伝えたらどこのAVのタイトルだよって翔ちゃんにつっこまれた。 「でも、翔ちゃんも変態じゃない?」 「はあ?」 「ここ」 翔ちゃんにぐっと詰め寄り、膝丈より少し短いプリーツスカートを捲った。 「ちょっと反応してない?」 ニヤリと笑うと、彼は顔を真っ赤にしてスカートの裾を握り締める。 「お、っお前がっ!!!」 「私が?」 「お前がっ、そういう顔で見てくるから…っ!」 そういう顔ってどういう顔? なんて呑気に思っていたらセーラー服姿の翔ちゃんに肩を押されて床に押し倒された。 あまりに急なことで流石の私でもびっくりする。 「ちょ、翔ちゃん?」 「俺が怒んないとでも思ってんの?」 「え?えーっと、怒ってるの?」 見上げる翔ちゃんの顔は、眉間に皺を寄せて小さな口を尖らせて確かに不機嫌そうではある。 「……怒ってはねえけど、お前のその自分への危機感のなさにイラつく」 「……ちょっと仰ってる意味が…」 へらっと笑ってみせたら、翔ちゃんは整った眉をピクリと跳ねさせて「お前、気付いてないんだな」と突然私のスカートの中に手を突っ込んできた。 「うぇ!?」 「分かる?濡れてんの」 「!」 翔ちゃんの指がパンツの上から秘部をなぞった。 ヌメッ、と嫌な感覚がする。 「うそ…」 「嘘じゃねーよ。お前さ、俺の写真撮ってる時の顔すげえエロい顔してんの知ってる?俺のこういう格好に興奮して濡らしてる変態なの」 パンツの横からぐちゅっと指を差し込まれ、直接ソコをなぞられた。 四肢がぶるりと震える。 「や、やだ。翔ちゃんっ」 「お前の我が儘はもう聞いてやんねえ。たまには俺の我が儘にも付き合えよな」 口調はキツイものだけれど、身体を寄せてキスをすればそれは優しいものだった。 下唇を吸われるのも、舌先でつつき合うのも、舌を絡ませるのも、丁寧で優しく気持ちいい。 自然と鼻から甘い音が出てしまうのも、翔ちゃんに聴かせろよと言われれば私はその言いなりとなった。 「ちゅ、っは、名前可愛い」 「っはぁ、は、うるさい」 「こっちは素直なのにな」 クスクス笑ってかき混ぜていた秘部をわざとらしく音を立てる。 いやらしい水音は先程よりも濡れていることを明確に示した。 「っ、翔ちゃん、やだっ」 「気持ちいいんだろ?」 「や、恥ずかし…っ」 翔ちゃんは目を丸くして、そうして男の顔で笑った。 「そりゃ本望だな」 仕返しとでも思っているのだろうか、心底楽しそうに翔ちゃんは事を進めていく。 そんな彼が腹立たしくもあり、やっぱり愛しかった。 「指入れんぞ」 「っ、」 簡単に指が入っていくのが分かる。 中指に添えられて二本目の人差し指がゆっくり差し込まれる。 キツくて遠のく意識を息を大きく吐くことでやり過ごそうと試みる。 「ッハァ」 「キツいな…入っか?」 「、挿れてよ、痛くていいから」 翔ちゃんはもぞもぞと私のブラウスとブラジャーをたくし上げて、露になった無防備な乳房にちゅっとキスをした。 「お前、俺のこと可愛い可愛い言うけど、名前の方が可愛いっつの」 「っんん」 「胸感じんの?」 「ばか…っ」 「ははっ、かーわーいー」 胸の先端をくにくにと捏ねられて、自分でも段々と秘部が濡れていきさっきまでキツかったのが嘘のように柔っこくなっていくのが分かった。 翔ちゃんは何度も何度もキスを落として、可愛い可愛いと呪文のように唱える。 私にとって可愛いのは翔ちゃんただ一人だけれど、翔ちゃんに可愛いと言われるのも何故かとても心地いい。 「っは、挿れるぞ…」 スカートを押し上げているソレはもう天を仰いでいて、スカートがめくれていよいよ露になるソレは酷く卑猥だ。 翔ちゃんは用意していたゴムを装着して、秘部にゆっくり擦り付ける。 熱くて固いソレに私は飲み込んでいた息を吐いた。 くるくる弄ぶかのように秘部を掠め、私は我慢がならず翔ちゃんに訴える。 「早くっ、」 「分かってる、待てって、」 翔ちゃんも切なく息を吐いて、そうして私はようやく窮屈な圧迫感を感じた。 「っん」 「息、止めんなよ、」 優しく耳元で囁かれ、私はこくこく首を縦に振って呼吸の乱れを整えた。 辛かったのは最初だけで、翔ちゃんが腰をスローペースに進めれば私の膣内もそれに従順し、呼吸の乱れも快感からのものに変わった。 「っは、ヤベ、きもちい」 「ん、私も…っん」 「そか、良かった、」 翔ちゃんは目を細めて笑ってまた私にキスをした。 いつもならしてくれない、リップ音を鳴らして。 「はは、下から見てると、超えっち、だね、」 「ん?」 「スカートから、おちんちん出てる、んだもん、」 「っそれは、お前がこんな格好させたから…っ」 「うん、私変態だから、翔ちゃんの、んっ、その変態な格好も、好き」 好き、という言葉に弱い翔ちゃんは耳まで赤くさせて私の腰をぐっと掴んで引き寄せた。 奥まで刺さり、思わず「ひゃっ」と声を上げる。 「っばーーーーか!」 その、恥ずかしがって頬を赤らめ涙ぐむ姿がやっぱり最上級に可愛いのだ。 |