「貴方1人だけではやはり危険だと思います。私が先に外に出ます」


真っ直ぐと総理の目を見ると総理は眉をひそめ、溜息をついた。


「…案外君は頑固なのかもしれないな」
「それは総理も同じです」
「そ、そうか?なら改善してみせよう」
「…ふふ、でもこの状況を乗り越えたら、ですよ?」


総理に支えられつつも前に出て、扉のノブを握る。


「…開けますね?」
「うむ、お願いする」


ゆっくりとノブを捻り、扉を開ける。
小屋の中とは違って外はピリピリと緊張感が漂っていた。

クマの被り物をした人間達とSP2人…手には武器を持っている。
やはり総理だけで行かせるべきではなかったと思わせられる。被り物をした人間は顔は見えないものの、平気で人を殺しそうな恐ろしい雰囲気をまとっている。


「やはりここだったか」


真ん中に立つSP2人は怪しそうにニヤニヤと笑っている。後ろから総理が声を上げる。


「君達、すぐにこんなことはやめたまえ!未来機関に君達のことは伝えているのだぞ?」
「未来機関が来るまでにやっちゃえば問題ないですよ」
「それに女の後ろでそんなこと言ってもメンツが立たないですよ?」
「ぐっ…」
「煽りは気にしないでください。相手の思う壺です」
「そ、そうだな」


この後もSPが話を続けたが、しかしと疑問を感じた。このSP達はやけに言葉で煽ってくる。しかも全て総理に向けてだ。何とか総理は耐えているみたいだ。全てを受け取らない方がいいのに煽り全て受け止める総理に苦笑いをする。


「総理、話をするなら前に出た方がいいですよ?」
「そ、そこまで言うなら…みょうじくん。隣で立ってもいいか?」
「……大丈夫ですよ」


総理が私の体を支えながら私の隣に立った瞬間、私はあいつら全員が拳銃を構えた所を見逃さなかった。

しまった、総理が前に出た瞬間が狙い…!


「総理、伏せて!」


構えた拳銃を見て固まってしまった総理を横から押し倒し総理を庇う。

瞬間、体の何箇所かに痛みと共に体が焼けつくような熱さを感じる。その痛みに耐えきれずに私は意識を手放してしまった。


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