15話 月明かりが、一人の男を照らす。しかし、その男の顔は隠れていて、口元しか見えなかった。 その口元は、固く閉じられていた。が、少ししてから、「許さない……」 と、小さく動いた。 それだけでも、かなりの殺意を感じる。男は、これから罪を犯すだろう。 とても、重い罪を……。 少し動いた際に、月明かりに照らされて見えた顔は、佐々木光吉そのものだった──