※円風。ソフトSM。 無知って怖い 「円堂……なんのつもりだ」 「なにが?」 ここは円堂の自宅の部屋。 いつものように一緒に帰って、キスをしたりと戯れていたら何となくそういう雰囲気になって。 二人してベッドに雪崩れ込み、服を脱いでさぁやろうという時だった。 円堂が縄で俺の腕を縛り出したのは。 若干の怒りを交えつつそれに対し尋ねても、円堂は何を聞かれているのかわからないと言った様子だ。 「だから、なんで俺の腕を縛ってるんだ」 「あぁ、なんか基本中の基本なんだってさ」 だから何のだ。アレか、SMか? お前そんな趣味があったのか。 「本で見てさ、なんか面白そうだと思って!」 無邪気に笑う円堂はどうやらこれがアブノーマルな行為だという事に気が付いていないらしい。 喋っている間にも身体をひっくり返され背中にしっかりと腕を固定される。 抵抗しようと思えば出来たのだろうが、なんだかんだ言って円堂に弱い俺は流されるままそんな体勢になっていた。 「……んっ」 背後から円堂の舌が項あたりを舐め身体がピクリと反応をする。 「あっ、あっ」 そのまま耳を銜えつつ胸の突起を弄られ、声を抑える術を失った口から甘い声が漏れた。 「……なんか風丸エロい」 いつになく興奮した様子の円堂の声に危機感を覚える。このままSMにハマったりしたらどうしようか。 縛るくらいならまだしも、バラエティー番組で見るような蝋燭プレイ(?)とかはさすがに堪えられそうにない。 そんな俺の心配などお構いなしの円堂に腰を掴まれ高く上げられる。 腕を縛られているために尻を突き出すような体勢になり、羞恥で身体が熱くなるのを感じた。 「あっ!」 いきなり後孔に指(おそらく)を挿入される。 唾液で濡らしたらしいそれは痛みこそなかったが、胎内でぐにぐにと動かされむず痒い感覚を生んだ。 「んっ、んん……」 「風丸のここ、きゅうきゅうしてる。気持ちいいのか?」 そんな事を聞くな!! あまりにデリカシーのない円堂に怒鳴りたくなったが、いまの状況でそれは不可能だ。 「あんっ……」 胎内にあった円堂の指が抜かれ代わりにドクドクと脈打つものが宛てがわれる。 「挿れるぞ」 声と共に腰を強く掴まれ後孔に圧迫感が走った。 「うぅっ……あっ!」 いちばん太さのある亀頭が収まると残りを一気に挿入され、その衝撃に甲高い声を出してしまう。 間髪を入れずにゆるゆると出し入れを始めた円堂の動きに、思わず漏れてしまう嬌声が恥ずかしくて布団のシーツを銜えた。 「声、我慢するなって」 「やめ……! はっ、ひぅ」 後ろから顎を上げさせられ抑えていた声が漏れる。 前屈みの体勢になった円堂に胎内の奥深くを突かれ、ビリリと電力が走るような刺激が襲った。 「えん、ど、まえっ……」 後孔からだけの刺激にもどかしさを感じ催促をすれば、円堂の大きな手が俺自身を掴み荒々しく扱く。 「は、あぁ、いっ……!」 限界が近いのか円堂の動きが激しくなりガツガツと最奥を突き上げられた。 「あっ……、ああぁっ!」 敏感な場所を強く突かれて悲鳴のような声を上げながら射精をする。 それと同時に胎内がキツく凝縮し、円堂も俺の中に精を放った。 「ったく……痕になってるじゃないか」 「ごめんごめん」 情事後の気怠い身体に残る赤い痣に溜め息を吐く。 最中はあまり気にならなかったが、縄を外した腕がヒリヒリと痛む。 「これじゃあ明日の練習はジャージだな」 「ああ! そうだった!」 赤く残った痕を見せながら言えば円堂は間抜けな声を上げた。 どうやらユニフォームが半袖である事を考えていなかったようだ。 ――まぁ、これで反省すればまたやろうなんて言い出さないだろう。 床に落ちていた制服を着ながら帰りの支度を始める。 何やら腕を組んで唸っている円堂を無視していると、やがて閃いたと言わんばかりに手を叩いた。 「次の日の部活が休みの時なら大丈夫だな!」 ……何がだ、なにが。 とりあえず深くは追求しなかったが、俺は円堂がアブノーマルな道に走らないよう祈る事にした。 end 円堂が使った縄はたぶんタイヤを吊ってるアレです。 |