※『露天風呂に行こう』の円堂たちが来なかったバージョン。 露天風呂アナザー カズヤに誘われてロテンブロに来たはいいが、湯船に浸かってからしばらく経つと気持ち良さよりも熱さが勝ってきた。 「先に身体を洗って来るよ」 まだ涼しい顔をしているカズヤに一言断ってから湯船を出る。俺の肌はもう熱さで真っ赤になっているというのに、流石は日本人だ。 頭を流してから身体を洗うためにタオルで泡を立てて居ると、椅子を持って来たカズヤが背後に座った。 「背中流してあげる」 「ああ、ありがとう」 泡立てたタオルをカズヤに渡すとすぐに柔らかかな布で背中を擦られる感覚がする。 心地良くて目を瞑って居ると背中だけではなく肩や腕も洗い始めたので、軽く礼を言ってその行為に甘えた。 しかし何かこう……腹や太腿を触っている、タオルを持ってないほうの手がいやらしい感じがするのは気のせいだろうか。 最初は考えすぎだと思い何も言わずに居たが、身体中を滑るカズヤの手が股の間に入って来たあたりで流石に制止した。 「かっ、カズヤ! そこはいい!」 太腿を撫で回す手を掴もうとするがぬるぬると滑って上手く止められない。 しかもカズヤはいつの間にかタオルを床に置いて素手になっていた。 「マークったら無防備すぎ。悪戯したくなっちゃった」 「はっ……んんっ」 耳元で囁く口がそのまま軟骨を甘噛みし、次には舌を入れられ段々と力が抜けて行く。 その間にもソープでぬめる手に腹や内腿を撫で回され、直接的ではない愛撫のもどかしさに腰が揺れた。 「あ……触ってないのに硬くなってる」 「言うなぁっ……」 カズヤの両手が胸へと伸び硬く痼った先端を摘まれる。 「はっ、ん……あんっ」 引っ張ったり弾いたりと遊ぶような動きで執拗に愛撫されだらしなく嬌声が零れてしまう。 我慢しきれずに震える自身へと手を伸ばし、泡と先走りで濡れているそれを自分で扱いた。 「あっ、はぁ、ふぅんっ」 「マークかわいい……オナニーしてるみたい」 俺の肩越しに覗くカズヤの視線が下腹部へと注がれているのを感じ余計に身体が熱くなる。 「んんっ、ああぁっ!」 胸を弄っていた手が自身へと回り、先端や陰嚢の部分を刺激され堪え切れず射精をしてしまった。 「今度は俺の番ね?」 「うん……」 呼吸が落ち着くと椅子から下りて床に跪く形でカズヤの股に顔を埋める。 俺を愛撫しただけで興奮してくれたらしい半立ちの自身を口に含み吸い付くようにして舐めた。 舌で届く範囲は舐めてそうでない部分は手で扱くと、上からカズヤの堪えるような声が聞こえてくる。 きっと気持ち良いんだと思うと嬉しくなり、更に深くまで含もうとすると「もういいよ」と優しく髪を掴まれた。 「あとは君の中がいいな……」 囁きながら俺の尻を撫でて来るカズヤに頷いて手招きをするその膝に座る。 「いつも後ろからだとマークの顔が見えないけど、ここでならよく見えるね」 そう言われてから目の前に鏡があった事を思い出し途端に恥ずかしくなった。風呂ならば鏡があるのは当然だけど。 「ふぁ、カズヤっ、いやぁっ」 カズヤは俺の脚を大きく開かせ、鏡に写った自分の痴態を見せ付けるようにして後孔をほぐす。 ソープを垂らしたそこは指が出入りする度に泡立ってグチュグチュと派手な音を出した。 「これならもう入りそうかな」 「んんっ」 ほぐれ具合を確かめるように三本の指を奥まで挿入され身体が強張る。 そのまま胎内をグニグニと刺激され指だけで達しそうになってしまった。 「入れるよ……」 指を抜いたカズヤが俺の膝裏を掴んで持ち上げ、太腿に座らせるような形で挿入を始める。 「んっ、あぁっ!」 身体を下ろされると自分の体重と泡の滑りを借りて、カズヤの自身が一気に奥まで入って来た。 「ああぁっ! はっ、あっあぁ!」 ソープの力を借りたそこは容易に抜き差しが出来てしまうようで、いつもより激しく奥を突かれる。 ふと鏡を見るとカズヤの怒張を受け入れて居る自分の後孔がありありと写っていて思わず目を瞑った。 「マーク、いつもより感じてる?」 「かっ、感じてなっ、あっ、ひん!」 返事なんか聞いてないとばかりに突き上げられひっくり返った声が漏れる。 セックスをしている時のカズヤは普段より意地悪だ。 「あぅっ、ああぁあっ!」 「っく、ふっ……」 後ろだけの刺激で達してしまったあと、カズヤも俺の太腿あたりに精を放った。 そのあとはぐったりしていた俺を浴槽まで運んでくれたらしい。 お湯に浸かりながらぼんやりと見上げた青空に、ここが野外であった事を思い出した。 * 一方その頃――。 「なぁ、アイツらさっきエッチしてなかっ……」 「黙れ、そして忘れろ」 脱衣所の外には一部始終を目撃してしまった円堂と風丸が居たとか居なかったとか。 end そういやマークが口でしてるのって書いてないなと。 |