ロココとイナズマジャパン。ゲーム寄りです。ネタバレ満載。



僕と太陽ボーイ



 FFIも終了しガルシルドに関するいざこざも片付いて、ダイスケにお別れの挨拶をしにジャパンエリアに行った時だった。
 まだやるべき事があるというマモルにイナズマジャパンに誘われたのは。
 かなり悩んだけどマモルには恩もあるし、僕はチームメイトをコトアールエリアに残し参加する事を決めた。
 そして現在は悪魔だか天使だかをサッカーで倒すために日々練習に勤しんでいる。
 フィディオやエドガーと言った各国代表の選手たちと敵としてではなく味方として戦うのは楽しい。
 ジャパンのメンバーもみんな(一部除く)気さくで明るい人たちだし今の状況には何の不満もない。
 だけど一人になった時にふとリトルギガントのメンバーが恋しくなってしまう。
 これがホームシックというやつだろうか。



「カゼマルって僕の幼なじみとちょっと似てるかも」
 練習の合間を縫っていつも世話を焼いてくれるカゼマルに話し掛けた。
 面倒見の良い彼は何かと僕に気を使ってくれてまるでお兄さんのようだと感じる。
 同い年だし身長は僕のほうが高いのだけど。
「幼なじみ?」
「うん。昔から一緒にサッカーしてて、リトルギガントでもディフェンダーをやってたんだ」
 最初にカゼマルを見た時から何となく似ているとは思っていた。
 イナズマジャパンに入ってからも彼のスピードや必殺技を見ているとますますそう思えてきて。
「それってもしかして、髪が青くてバンダナを巻いてたやつか?」
「そうだよ。ウィンディって言うんだ」
 どうやらカゼマルもFFIで試合をした時の事を覚えていてくれたらしい。
「円堂が俺に似てるやつが居るって騒いでたから覚えてるよ」
 やっぱり他人から見ても似てるんだ。
 マモルが騒いでいたと聞いてすぐにその光景が想像できてしまい、何だか笑えてくる。
「カゼマルみたいに脚が早くて、でも性格はカゼマルよりも子供っぽいかな」
 カゼマルにはいつも世話を焼いて貰ってるけど、ウィンディと居るときに世話を焼くのは僕のほうだから。
 そう話しているとカゼマルは一年生を見る時みたいなふんわりした笑顔で僕を見た。
「ロココはそいつが大好きなんだな」
「うん、大好き! チームメイトはみんな大好きだよ。もちろんイナズマジャパンの仲間たちも」
 言い終わるとカゼマルは「そうか」と笑って僕の頭を子供にするみたいに撫でてくる。
 子供扱いされるのは好きじゃないけど、カゼマルに撫でられるのは少しも嫌じゃなかった。



 それから数日が経って、会わせたい人が居るからキャラバンに来いとマモルに言われた。
「あっ! ロココー!」
「ウィンディ!?」
 何だろうと思いながらキャラバンのドアをくぐるとそこに居たのは懐かしい姿で。
 イナズマジャパンのジャージを着て席に座っていたのは幼なじみのウィンディだった。
「マモル、どうして?」
 入口あたりに立っていたマモルに視線を向ける。
 ディフェンスのメンバーはもう飽和状態だからスカウトしないって前に言ってたのに。
「風丸に聞いたんだよ、お前らが幼なじみだってさ。離れ離れなんて寂しいだろ?」
「マモル……」
「俺もわかるんだ。前に風丸と離れ離れになった事があるからさ」
 マモルは少しだけ真面目な顔をしていたけど最後のほうは誤魔化すように笑顔を作った。
 イナズマジャパンを結成する前の事は知らないけど、マモルとカゼマルが昔からの知り合いだという話は聞いている。
「これからはまた一緒にサッカー出来るぜ!」
 そう言ってマモルはいつもの太陽みたいな笑顔を浮かべた。今度は作り笑いじゃない、本当の笑顔で。
「……ありがとう、マモル」
 僕にも少しだけマモルがみんなに好かれる理由がわかった気がするよ。
 そのあとウィンディが話題に出したゴーシュやリューまでを引き抜こうとしていたのはさすがに止めたけれど。



end

ロココは風丸に懐いてたらいいなぁ。


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