イライラしてる半田とマックス。闇堕ち?



警告音が聞こえる



 FFIの日本代表候補が集められた。
 雷門中のメンバーやFFに出場していたライバル達。それからキャラバンに参加していた選手に、見た事もないヤツら。
 全国から様々な猛者が集められたとは言うが、そのほとんどは雷門の関係者であるような気がする。
 だけどその中に俺は入っていない。
 これから選考試合が行われると意気込む円堂たちを言葉を交わしながらも、心の底では沸々と理不尽な苛立ちが募っていた。
 一年の壁山や栗松に加え、ほんの少し前からサッカーを始めたばかりの風丸やマックスが選ばれて、どうして俺が選ばれない!
 同じ一年の頃からサッカーをしていた円堂や染岡だって選ばれたのにどうして!
 確かに俺はキャラバンに乗る前にチーム離れざるを得なかったけど、そんなのマックスだって同じだろう!
 選考試合の最中も考えるのはそんな事ばかりだった。
 試合が終わり、日本代表が決まる。
 落選したのは染岡とマックス、帝国の佐久間に木戸川の武方、ダークエンペラーズの仲間だったシャドウ。あとは目金の弟。
 栗松が合格したのは以外だった。同じ一年の壁山はテレビで活躍を見ていたから納得したが、栗松は正直あまり活躍していなかったから。
 知らない奴が合格するより、知っているけど認めていない奴が合格するほうが以外と腹立たしい物なんだと感じた。
「あーあ、ダメだったかぁ」
 後ろから飄々とした声が響く。顔なんて見なくても誰だかわかる、マックスだ。
「残念だったな。また円堂たちとサッカー出来ると思ったのに」
 顔をマックスのほうに向け、なるべく普段の調子で言う。
「本当は嬉しいんじゃないの? 僕が落ちてさ」
 マックスはいつもの意地の悪そうな笑みを浮かべた。
 俺は何も言い返せなくて、簡単に挨拶をしてから雷門中を離れた。

 *

 半田の後ろ姿が見えなくなってから、松野は小さく呟いた。
「僕も悔しいよ」
 ――半田の分も頑張ろうと思ったのにさ。
 そんな言葉を言っても、更に半田を惨めな気分にさせるだけだろうから言わないけど。
 でも僕だって納得が出来ないんだ。
 ねぇ半田知ってる? キャラバンにも居た綱海って三年、風丸たちより後にサッカーを始めたんだって。
 しかも元々はサーファーで、サッカーのルールも知らなかったとか巫山戯てると思わない?
 それに代表選考の試合に出ていたからこそわかる。あの飛鷹ってヤンキー被ればズブの素人だ。
 でもきっと選ばれたからには何か理由があるんだろうね。ああ、才能とか?
 ってそれも禁句か。僕だって似たようなモンだからね。僕、スポーツ万能だし。
 だけど豪炎寺とかを見てると次元が違うんだって感じるよ。彼が人の何倍も努力してるってのは知ってるけどさ。
 でも風丸だって言ってたでしょ。人間の努力には限界があるって。その限界値こそが才能ってヤツなんじゃないかな。
 あの石を手にした時、これさえあれば限界なんてない、自分はどこまでだって行ける。そう感じたんだ。
 半田だってそうでしょう?



(もう一度、あの力が欲しい)



end

私が半田やマックスの立場だったらそれこそDEになるなぁと。


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