短編(♂) | ナノ


妖怪の若はとても大人びているというかませているというか、少し困ったところがある。

「……………若」
「よぅ名前。遅かったな。」
「またいらしてたんですか」
「どこ行ってた」

俺が屋敷に帰ると縁側でひとり酒をあおる若がいた。

「良太猫の処ですよ。それより、また共なしで来ましたね?」
「……………それがどうした」
「だめだって言ってるでしょうに。」
「ふん、オレが出かけたことにも気付いてないさ。」
「そういうことじゃありませんよ」

まったく、とため息を吐いて気づく。
若の後ろに転がっている酒の瓶。
あれは………!

「…若、その後ろのは」
「ん?酒蔵から勝手に貰った。すげぇ旨い酒だったぜ」

それはそうでしょうとも。
国宝級の職人から買った目玉の飛び出るような高級酒なのだから。

「………悪戯がすぎますよ、若」
「…名前?」

すぅっと冷めていく思考とは裏腹に腹の奥で熱い何かが渦を巻く。若も俺の変化に気づいたのか、身体を強ばらせ俺を凝視している。
近づいて微笑めばぎくりと震える若。
完全に俺の畏れに飲まれている。

「少しお仕置きが、必要みたいですね?」

つつっと若の頬から首筋へと手をはわせる。
若の手から零れた杯が落ちて透き通った音を響かせた。










場所は同じく俺の屋敷の縁側。
そこに猥らな声が響く。

「んんっ!ひ、ぁっあ、あぁっ」
「ほら、意識飛ばさないでくださいね。」

胡坐をかく俺の膝の中で乱れる若。
若お気に入りの濃紺の着物は無残にたくし上げられ肌蹴られ、帯のところで溜まっている。申し訳程度に腕に引っかかった袖がひどく色っぽい。
ぎゅうと若が俺の着物をつかんだ。

「な、まえぇ、ぇ…!」
「なんです?」
「も、やっ……イか…せ…あんん!」
「駄目。お仕置きだといったでしょう?」

若の中に埋まる自身で緩く突き上げると甘い嬌声が上がる。全身を蒸気させた若は解放を求め俺に縋る。けれどお仕置きなのだから、そう簡単には達かせてやらない。

「布、すごい色変わってますよ?やぁらしいなぁ」

若の中心でそそり立つ若自身にはきつく布が巻かれている。簡単には出せないように、だ。
高級酒を包んでいた上品な布地は、若の猥らな液に濡れより一層若の淫猥さを引き立たせている。
若の胸の飾りに軽く歯を立てながら布の上から熱いソレを撫でると大きな声とともに若の身体が大きく震えた。

「んあああああっ!!」

びくびくと痙攣を繰り返す若。どうやら縛られているのにもかかわらず達ってしまったらしい。
荒い息を吐きながら若の身体から力が抜けていく。

「まだ終わりませんよ?」

しかし気を失うことは許さない。お仕置きなのだ。これくらいは当然だろう?

「っっっーーー!!」

若がおちる前に大きく突き上げた。
声にならない悲鳴が若の口から洩れ、また中心に熱を集めていく。月を背に若を床へと押し倒し、緩く硬さを取り戻す若自身を少々乱暴に扱きながら律動を開始した。

「あっあっ…ぅ、あ、ひぃっ」

ぐちゅぐちゅと音を立てながら緩急をつけて何度も若を突き上げる。ギリギリまで引き抜いて最奥まで一気に貫いたり、焦らすように揺すったりゆっくり動いたりを繰り返していると、涙やらでぐちゃぐちゃになった若の紅の目が力無く俺を睨んだ。

「なまえ、ぇっ」
「なんです、かっ」
「ひゃあんっっ!」

動きは止めず若の瞳をのぞき込む。
完全に快楽に溺れた若はキスをせがむと限界だと訴えてくる。

「んぅ、あ、ああっ、な…うあぁぁっ」
「もう勝手に俺の酒飲みませんか?」
「やっ、そこや、めぇぇ……!」
「お供なしでここに来るのやめますか?」
「あっふぅ、っん…また、イっ…」
「ちゃんと約束しなきゃ達かせませんよ」
「やっなんでっ…離し…っ!」

布を取り、根本を強く握りしめる。
達く直前にせき止められガクガクと全身を震わせる若の耳へ囁く。

「ほら、若?約束出来るなら達かせてあげます」
「ひあっ」

耳にかかる息にさえ嬌声をあげる若。ついに快楽に負け何度も頷く。

「んん、するっ…や…そく、する…からぁ!」
「……ま、いいでしょう」
「っ、あぅつあっああっ…………!」

若の両腕を床に縫い止めて激しく攻め立てた。若のイイところを狙い、手荒く若自身も扱きあげる。

「ぅあああっ…もっら、らめええぇ!」
「はは、達っていいですよ」
「なまえっなまえっ…ひ、ああああああ…――!」

俺の手を握り締めて一際高い声を上げた若が果てる。きゅうと締め付ける若の中に、俺も熱を吐き出した。









「……な、まえ…?」
「はい?」

明け方、若が目を覚ました。
少々やりすぎてしまったらしく、声がかなり嗄れている。
鈍い動きで俺の指に己のを絡めきゅっと握りしめる若。

「おはようございます」
「…ん」
「寝ていてかまいませんよ」
「…………なまえ…」

虚ろな瞳の若の頭を撫でてやるとゆっくり瞼が閉じていく。なんとまぁ無防備で愛らしいことか。
いつもの悪戯好きで人を振り回すぬらりひょんのなりは息を潜めている。
本家へ、気づかれる前に送らなければならないが…

「…もう少しくらい、いいかな」

白み始める空を眺めながら、穏やかな時間に微笑んだ。







悪い子には、お仕置き
(…まだ14歳だもんなぁ)
(……あれ?これ犯罪?)







あとがき
蕁様、お待たせしました!
初めての裏ですので、すごく心配なのですが…。
すみません、自分の文才ではこれが限界です。激しめと頂いたのに…申し訳ない。
苦情甘んじてお受けいたします…(汗
内容が初挑戦のものなので、お読みになったらどうか一言でも構いません。感想をよろしくお願いします。(チキンですみません)
リクエストありがとうございました!

2012.04.16 誤字訂正


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