珍しく静かな家に、今日は俺と小太郎しかいない。
他の騒がしい7人は他2と先生と一緒に出かけている。
まだコンクリートジャングルに慣れない小太郎は出かけたがらなかったので、俺も家に残ることにした。
「ん、だから、気にしなくて良いって。」
自分のせいで俺が出かけなかったと小太郎はしきりに謝ってくる。
言葉より饒舌に申し訳ないと語る小太郎の雰囲気。正直居たたまれない。
俺の後をついて回り、洗濯や片付けを手伝ってくれる。
そのおかげか、予定よりずっと早く洗濯も片付けも終わった。突然8人も同居人が増えたので、服やら日用品やらが多くなって大変だ。
ちなみに戦国時代の彼らは、みんな現代の服で生活している。今日の小太郎は黒のハイネックにジーンズである。
特にやることがなくなったのでソファーに座りテレビをつける。小太郎は俺の足下の床に正座した。
お気に入りらしいヘアバンドのせいで視線の先は分からないが、身体も顔も完全に俺の方を向いている。
テレビを見なさい、テレビを。
しばらくそのままで居たが、ちょっと居心地が悪い。
相変わらず小太郎は俺を見ているし、テレビはまったく面白くない。
「……小太郎。」
「?」
「ここ、座って。」
俺が膝の上へ呼ぶと、小太郎は戸惑いながらも素直に座った。座り心地は悪そうだ。
背中から抱きしめて小太郎の肩へ顎を乗せる。
「!?!?」
俺の行動に驚いている小太郎。それでも抵抗されないので嫌ではないらしい。
しばらくそのままテレビを見ていると、落ち着いてきたのか緊張が解け、少しずつ身体を預けてくる。可愛い。
つまらないドラマを見ながら小太郎にイタズラする。
「…!!」
小太郎を抱きしめたまま、
右手でゆっくりと腹を撫でた。
びくっと肩を震わせて、小太郎の身体が強張った。
ゆるゆるとセーターの上から愛撫を続ける。胸の方へと這い上がる俺の手を、小太郎は慌てて止めた。
けれど小太郎の手に力が入っていない。
見ると耳まで真っ赤だ。
軽く音を立てて首筋に口付けると、大げさなほどに小太郎の身体がはねた。
「敏感だね、小太郎。」
なんども耳や首やうなじに口付けていると小太郎は逃げるように前屈みになっていく。
小太郎が落ちないようにしっかり腰を抱きしめて、俺も逃げる小太郎を追い前屈みになる。
口付けるたびに震える小太郎が可愛くて楽しんでいると、耐えられなくなったのか振り向いた小太郎と目が合った。
前髪に隠れた瞳から熱い視線が送られてくる。
「………小太郎。」
小太郎の耳元で囁いた声は、自分でも驚くくらい熱っぽかった。
こくり、と、小さく頷くのが見えたので、そのまま小太郎をソファーに押し倒す。
「嫌になったら言えよ。」
止まる自信無いけど、と心の中でつぶやいて、セーターの裾から手を入れる。
小太郎に覆い被さるように唇を奪う…
「「「ただいまー!!!」」」……はずが、俺は玄関から聞こえた大きな声に動きを止めた。
俺の背中へ腕を伸ばしかけていた小太郎もリビングの戸を見る。
タイミング悪く帰ってきたらしい。
「…残念。」
呟いて起き上がる。2人並んで座り直すと、ちょうど政宗たちが入ってきた。
「ただいま名前!」
「お帰り。楽しんだか?」
「とても楽しかったでござる!」
「……俺たちは疲れたよ…。」
ぞろぞろと帰って来るみんなに、小太郎が小さくため息をついた。
どうやら小太郎も残念だと思ってくれているらしい。
「全員手を洗ってきなさい。汚れた服も着替える。」
俺の言葉に、はーい。と返事をした7人は洗面所へと向かう。
彼らの目を盗み、不意打ちで小太郎の額にキスをした。
「――っ!?」
「続きはまた今度な。」
悪戯っぽく笑いかけると小太郎ははにかんだ。うん、可愛い。
よしよしと小太郎の頭を撫でて立ち上がる。
さて、夕飯の準備でもしようか。
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ぎと様
大変遅くなってしまい申し訳ありません(汗
あまりエロくならず…
ご希望に添えているかわかりませんが、どうぞお納めください
リクエストありがとうございました!