短編(♂) | ナノ

最後の砦 ver.名前






あいつは愛を囁かない。



軽い言葉も真面目な言葉も

「…馬鹿が。」

すべてその一言で流されてしまう。

「…俺もだ。」

なんて、死んでも言ってはくれないだろう。










「…名前。」

名前を呼ばれるのが好きだ。

抱き締めてもキスをしても本気で抵抗しないから、思わず先へと進んでしまう。

「ひっ…やめ、もっ……ぅあ、ぁぁっ…!」

情中の声や仕草は俺の理性を失わせ、背中につけられた爪痕さえも愛しい。

『愛してる。』

シャマルは気持ちを認めない。

しかし熱を帯びた瞳が、絡む指が、重ねた身体が、口より雄弁に語ってくれる。








可愛い人
(言葉なんていらない。)
(今のままの君が好きだから。)
(傍にいられれば、それで良いんだ。)



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -