ずっと知らないふりをしている。
どんな甘い言葉も愛の告白も、俺は聞かない。
「好きだよ。」
己は女性が好きなのだ。男は嫌い。
「愛してる。」
だから、あいつへの愛なんて、己にあるはずもないのだ。
「シャマル。」
呼ばれると、抱き締められると、安心できる。
「っは、シャマルん中最高っ…。」
抱かれれば喜ぶ身体、満たされる心。
あいつの声に手に体に言葉に、どうしようもなく幸福を感じる自分がいることを、
本当は、知っている…。
最後の砦(身体をやった。)
(いつの間にか、心も奪われた。)
(だから、これは俺の最後の抵抗。)