短編(♂) | ナノ









ずっと知らないふりをしている。

どんな甘い言葉も愛の告白も、俺は聞かない。

「好きだよ。」

己は女性が好きなのだ。男は嫌い。

「愛してる。」

だから、あいつへの愛なんて、己にあるはずもないのだ。







「シャマル。」

呼ばれると、抱き締められると、安心できる。

「っは、シャマルん中最高っ…。」

抱かれれば喜ぶ身体、満たされる心。



あいつの声に手に体に言葉に、どうしようもなく幸福を感じる自分がいることを、

本当は、知っている…。








最後の砦
(身体をやった。)
(いつの間にか、心も奪われた。)
(だから、これは俺の最後の抵抗。)



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