(奥州)
快晴の空、鳥の声。
こんな日に外で昼寝をしたらどんなに気持ちいいだろう。
主の部屋で正座をする俺はそんなことを考えながら、目の前の男の機嫌をこれ以上損ねぬよう真面目な顔を作る。
「まったく貴方様は…」
「…shit、分かってるぜ小十郎。」
「どこがおわかりなのですか!」
俺の隣で同じく正座した政宗がうんざりだと言うように両手を上げた。
ぐだぐだぐだぐだ。
これの始まりはもう二刻ほど前のこと。俺たちが少しふざけて部屋をぼろぼろにしてしまったのだ。
実を言うと、この件についてのお説教は一刻ほど前に終わった。それなのにどうしてまだ続いているかと言うと…
「何度言っても直して下さらないし、私に政務を押し付けないでください!」
あれは政宗様でなくては務まらないのですよ!?
そう言って顔を歪める小十郎。
そう、もうずいぶんと続いている説教は俺と政宗への愚痴だった。
政宗が政務しないとか好き嫌い多いとか風呂にちゃんと入らないとか俺のやる気がないとか。
(あるよやる気。悪戯と戦に限るけど。)
でも言う事が小姑だよ小十郎…。いろいろ溜まってんのかな。
「…もう勘弁しろよ小十郎…。」
政宗が両手を膝についてうな垂れた。
さすがに足が痺れてきたっぽい。
俺は脚はまだ大丈夫だけど顔がやばくなってきた。
ほほの筋肉引きつる。もう真面目な顔してらんない!
(ごめんこじゅ。今度色街誘うからな。)
そんなことを思いながら、俺はいつもの顔へと力を抜いた。
眠くなってきた(…………ぐぅ。)
(テメェ寝るな名前!!)
(ぃって?!だって長いんだも…)
(どうしてお前はいつもそうだんだ!?)
((うわ、エンドレス……))