そこは連合行きつけのバー。
今夜は枢軸組も来ていると言うので、俺も顔を出した。
しかしそこは、
「ほぁたぁ〜〜!!」
破廉恥な格好のイギリスが愛用の杖を振り回し、
「俺がヒーローなんだぞ!!」
コーラとビールを両手に持ったアメリカがテーブルの家で仁王立ちし、
「コルコルコルコルコル…」
真っ黒いオーラのロシアがひたすら笑い、
「あいやー、酒持ってくるよろし!」
酒瓶と中華鍋を振り回す中国と、
「ヴェストォォぉぉぉぉぉ!!」
ムキムキドイツを襲うプロイセンと、
「ドイツぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
泣きながらドイツに抱きつくイタリアと、
「お前ら離れろぉぉぉぉぉ!」
必死の形相でそんな二人を引き剥がそうとしているドイツがいる、
地獄☆でした
「…なんだこれ」
「あ、待ってましたよ名前。」
呆然と騒ぐ奴等を見ていた俺のところに日本がやって来た。
実は今夜俺に連絡をくれたのは日本である。
「私では手に負えませんから後をお願いします。」
「えぇぇぇ!?おま、その為に連絡寄越したのか!?」
「えぇ。」
あっさり頷かれ脱力する。
…こいつらを俺が止められると思うか!?
「…勘違いしていませんか?」
「…は?」
怨みがましく日本を見ていたらそう言って日本は店の隅を指差す。
そこには見慣れた金髪が膝を抱えてキノコ栽培していた。
「名前に頼みたいのはフランスさんですよ。」
「…あれ、」
「皆さんが悪乗りして苛めたら拗ねてしまわれました。」
涼しい顔でそう言って日本は騒ぎ潰れたイギリスに毛布をかける。
その「皆さん」の中にしっかり日本も入っているくせに。
「では、お願いしますね。」
そう言って日本は俺から離れていった。
俺はため息をつきながらもフランスへと近寄った。
しゃがんで声をかけようとすると何かブツブツ言っているのが聞こえる。
「
…みんなお兄さんのことなんて嫌いなんだだからみんなで無視するんだ…」
…どうやら相当いじめられてしまったらしい。
とん、と軽く肩をつつくと涙に濡れた瞳が俺を見上げた。
涙と金髪がキラキラ光るように見えてたじろぐと、それに気付いたらしいフランスは哀しそうに顔を歪めて泣き出した。
「名前まで…!みんなお兄さんのことなんて嫌いなんだぁぁぁぁ!」
うわぁぁぁんと子供のように泣くフランスに俺は何とも言えずただおろおろしていた。
「そりゃお兄さんちょっと変態だけどそんなに嫌わなくてもいいじゃないかぁ〜〜〜!」
お兄さんはみんな大好きなのにぃー!と最後には叫び出すフランス。
…完全に酔っぱらいだ。
「誰もフランスのこと嫌ってないよ。」
仕方なく膝を抱えるフランスと目線を合わせるように座る。
「……うぞだぁ…」
「嘘じゃないよ。フランスのこと好きだよ。」
じっと俺を見つめるフランスはまた嘘だと呟いた。
「………じゃあ……じゃあ…」
おずおずと手が差し出される。
「……………ぎゅって、して…?」
そう言って不安そうに俺を見るフランスにくらりと来た。
可愛すぎる…!
「ん、ぎゅー。」
俺も同じように手を広げ、フランスを抱き締める。
少ししてから離すと、嬉しそうなフランスが俺へと抱きついてきた。
「もっとぎゅーっ!」
「…はいはい。」
期限の直ったフランスをちからいっぱい抱き締めた。
香水とは違う、甘い香りが鼻孔をくすぐる。
「…フランス、」
ちょっといろいろヤバくなってきたのでフランスから離れようとするが、幸せそうに笑うフランスの腕の力は増すばかりだ。
「あのさ、フランス、」
「どうした〜?」
おにーさんにそうだんしてごらんっ!と呂律の回らないフランスが言う。
…ちょ、ホント限界なんですけど。
「…んー、名前…」
そんな俺の思いに気付いたのか、フランスは恥じらうように頬を染めて俺へとキスをした。
「おにーさん、名前になら食べられてもいーよ…?」
なんて、言われれば止まるはずもなく。
俺はもう一度フランスを抱き締め、そのまま抱き上げた。
お持ち帰り決定!!日「で、美味しくいただいた訳ですか。」
主「うん。」
日「結局、」
主「恋人になっちゃいました。」
仏「名前ー!今夜どうする〜?」
主「もちろん、フランスのとこに泊まるー!」
日「…イチャイチャするなら家でしなさい!」
主「俺日本人ー。」