し
天女かと思った。
あの日、空から落ちてきた彼女を小平太が受け止めて助けた。
ごめんなさい、ありがとう!そう言って笑った彼女に私達は皆、一目で恋に落ちたのだ。
「仙蔵君。」
彼女に呼ばれるのが好きだ。甘く女性らしい声、香り。
彼女の隣にいるだけで幸せな気分になれた。
「ひかりさん。」
綺麗な響きの名前。
彼女がいるだけで、全てが輝いて見える。
…以前にもこんな気持ちを味わったことがあるように思う。いや、もっと強い思いだっただろうか…。
頭の隅にいる誰かが私を呼ぶ。
しかしそれが誰か考えられない。
彼女…ひかりさんだけが、私の全てを占めていた。
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