長編 | ナノ


二晩目


「どこ行くんだい?文次郎。」

次の晩、今夜こそはと意気込んでいた文次郎は、どこからとも無く現れた名前に飛び上がるほ

どの勢いで驚いた。

「名前!?なんでここに…!」
「文次郎のことだから絶対鍛錬に行くって言い出すだろうと思って。」

にっこりと笑う名前の手が文次郎を捕まえる。

「ほら、もう寝よう?夜遅いし。」
「…だが鍛錬を怠っては…」

名前に手を引かれながら反論してみる。しかし文次郎に勝ち目は無い。

「忍務成功のために努力するのは忍たまとして当然でしょ。」

その隈、任務までに消さなきゃね。と目元を触られて文次郎は何も言えなくなった。
大人しくなった文次郎に、名前は優しく笑う。

「鍛錬するのは昼間だけ、ね。私でよければ付き合うから。」
「本当か!?」
「うん。だから今日はもう寝ようね。」
「おぅ!」

名前の言葉を聞いてたちまち笑顔になった文次郎は上機嫌に名前の手を引いて歩き出す。
向かうは名前の部屋だ。

「明日は早く起きるぞ名前!」
「はいはい。」

ぎんぎーん!と口ずさむ文次郎。
くすくすと笑いながら、名前は文次郎の手を握った。

「な、なんだ?」

それに驚いた文次郎が名前を見る。

「また文次郎が逃げると困るからね。」
「なっ、もう逃げねぇよ!」
「ま、布団に入るまでの辛抱さ。」
「布団って…また一緒に寝るのか?」
「うん?もちろん。」

頷くと瞬く間に文次郎の顔が赤くなる。

「お、俺布団持ってくる!」
「部屋から?もう遅いし仙蔵が怒るよ?」
「うっ、」
「諦めなさーい。」

まだ何かぶつぶつ言っている文次郎だが、名前が問答無用で引っ張るので諦めて名前の布団

で寝ることになった。


 


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