約束
あの後、名前と先輩は復縁した。
名前と会って話をした先輩は、それはもうすごい泣きようだったらしい。
「ごめんなさい」と「好き」を繰り返して、名前に抱きしめられながら一晩中泣いたという。
「行ってくるね。」
「あぁ、行ってらっしゃい。」
名前はまた表情豊かになった。
時間があれば幸せそうな笑みで先輩の隣にいて、最初からなにも無かったみたいだ。
もう学園内でも彼女の存在は消えていて、前の賑やかであたたかい学園に戻ってきている。
あぁ、名前と先輩は今日、一緒に町に出ている。
前回の実習(忌々しい天女が現れた時だ)の前に交わした約束は、反故にならなかったらしい。
また友人をとられたようで悔しいし寂しいが、名前が幸せそうに笑っているので良しとする。
「行ってきまーす!」
本当の笑顔の名前が、先輩と並んで歩き出した。
(
END)
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