企画 | ナノ

オレのすべてを変える人

ベッドに寝転んでカチカチとゲームをしていると、部屋のドアが開いてタンクトップ1枚のドイツが恥ずかしそうに入ってくる。いつもならシャワーを浴びた後はバスローブでそのままなだれ込むんだけど、今日はオレのリクエストでタンクトップを着てもらった。
ぴったりとした生地がドイツの肌に張り付いて筋肉の形を浮き上がらせている。

「ちゃんと着てくれたんだね」
「お前が、着ろというから……」

裾を一生懸命伸ばして下を隠そうとするドイツを手招きで呼ぶ。歩くたび裾からちらりと見えるのがとても卑猥だ。
ベッドの上に上がってきたドイツの腕を掴んで枕の方へ引っ張る。抵抗なくベッドに沈んだドイツに覆いかぶさって、啄ばむようなキスをした。

「…んっ、名前…」

するするとタンクトップの上からドイツの胸を愛撫すると甘えるような声が上がる。それにキスで答えて、オレは自己主張を始めた胸の飾りを摘まんだ。

「っっあ…!」

左手でドイツの顔を引き寄せ、右手でぐりぐりと飾りを押しつぶすとドイツの体が震えた。早くも息が上がってドイツ自身もゆるく反応を示している。キスに夢中になったドイツの両腕が離すまいとオレの首に絡みつく。オレはドイツに気づかれないようににんまり笑った。

「んっ、はっ……なまえっ…」
「んあー?」

絡めた舌と混ざり合って滴る唾液がドイツの喉とタンクトップを濡らしていく。

「…やぁだっ……直、せつっ……はっぁ…!」

布ごしの愛撫では物足りなくなったのか、ドイツがそう強請る。けれどオレはそれに答えずタンクトップの上から飾りを甘噛みしてやった。

「ああぁっっ!!なまえっ、なまえぇ…!」

息継ぎの合間にオレを呼ぶ声は早く早くと先を促しているようだ。濡れて肌の色が透けるタンクトップに、着衣のローションプレイもイイかもしれないと考えながら、オレはドイツの太ももへ手を伸ばす。
筋肉質な太ももを撫で、膝を立てさせて引き締まった尻を撫でるとドイツの体が期待に震えた。
オレを拘束する腕も力が入っているせいか筋肉でごつごつしている。左手で愛撫している胸だって良い感じに盛り上がっていて手の平のフィット感がたまらない。6つに割れている腹筋を撫でるとくすぐったそうに身をよじるところや足を開いたとき浮かび上がる筋もきれいだと思う。

そんなことを思って、自分の下で喘ぐドイツの肢体を見下ろしたオレは昔の自分を思い出した。
本当は、筋肉質な奴って嫌いだった。自分が筋肉が付きにくい体質だったってのもあるけど、ボディービルダーのてかてかした身体とか見てると好きになれなかった。だからいつだって好きになるのは柔らかい女の子。
それなのに今こうしてドイツと体を重ねている。

つぷりと濡れた孔にドイツの先走りで濡れた指をいれる。温かい内壁をゆるくかき分けながら進むと、触れなれたしこりに指先が触れた。

「ぅあっあっ…!」

そこを指先でつついたりわざと外してかき回したりしながらドイツの首筋を舐め上げる。じんわり汗をかいていたらしく少ししょっぱい。

(………他人の汗とかも、あんまり好きじゃなかったのにな)

自分が汗をかくのも嫌いで他人の汗なんて絶対触れたくもなかったのに、今じゃドイツの汗を舐めて興奮する自分がいる。思えば昔のオレとは正反対の嗜好だ。

だけどそれはすべてドイツとの出会いがきっかけで変わったんだ。
日本の家に遊びに来たドイツを見て筋肉!と敬遠したのに一緒に風呂に入って衝撃を受けた。程よく鍛え上げられた筋肉と白い肌。精鍛な顔つきに青い目。その美しさに、オレはあの時ドイツにひと目惚れしたのだと思う。
だから必死になってドイツにアプローチして、ドイツに少しでも近づきたくて嫌いな筋トレだってした。
残念ながらドイツと恋仲になってからは気が抜けてやめてしまったけど、今はドイツと一緒に犬の散歩(ジョギング)が出来るくらいの体力はある。
昔の自分が知ったら全力で引くだろうなぁと思ってオレは笑った。

「……ん…なまえ…?」
「あぁ、ごめん」
「ふぁぁっ…んっっ…!」

考え事をしていたことに気づいたドイツが不安そうに見上げてくる。

「なに、をっ……考えてっ……い、た…?」
「…………ドイツと初めて会った時のことを」

そう返して溶け合うようなキスをする。不安の色を映していた双眸は瞼の裏に隠れ、代わりにドイツの両腕がぎゅっとオレを抱きしめた。謝罪のつもりも込めてドイツの中の指の動きを早くする。一緒に立ち上がっているドイツ自身も愛撫するとキスの合間から漏れる嬌声が大きくなった。

(……可愛い)

ときどき、ドイツに昔の話をしたらどうだろうと悪戯心が顔を出すことがあるが、不用意に不安がらせたり傷つけたりするのは不本意なのでまだ話したことはない。ドイツの泣いた顔を可愛いけれど、悲しみに濡れる泣き顔はみたくないんだ。

聞こえる嬌声の合間に、早くと先を強請る言葉が混じっていて、オレは気持ちが昂るのを感じた。
指を引き抜いて臨戦態勢の自身を押し当てるとドイツの瞳が期待に揺れた。「欲しい?」と聞くと素直な頷きが返ってくる。
本当に人は変わるもんだ。ドイツだって最初は恥じらいと緊張でマグロだったけど、今はこうだしな!

「……っああああぁっ!!」
「っ」

ぐっと自身を差し込むとひときわ大きな声が上がる。馴染むまで少しだけ待って律動を開始すると蕩けた声がしきりにオレを呼ぶ。それに反応して自身が大きくなるのを感じながら、オレはドイツのいいところを何度も突いた。

「やっ、なまえっ!も、ぉっ」
「ん、イきそ?」

こくこくと頷くドイツを抱きしめて「オレも」と囁く。深く、的確にドイツのイイところを攻め続けていくとドイツもオレも息が上がってくる。

(そろそろ、かなっ)

キスを強請るドイツの口をオレの唇でふさいで、オレとドイツは同時に欲を吐き出した。




オレのすべてを変える人
(………なまえ…?)
(目、覚めた?)
(…パジャマ……すまない…)
(いいよ。オレも希望聞いてもらったし)
(っ…)
(ドイツ、真っ赤ー)
(う、うるさい……)




タンクトップの意味無いww
リクエストありがとうございました!

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