目を覚ますと、そこは真っ白な病室だった。



次生まれてくるときはあなたのとなりで・・・・

そう願ったはずなのに。


なのにどうして私は生きているのだろう?


「死ねなかったな・・・」


看護師さんの話によると私はすぐ救急車で運ばれ一命を取り留めたらしい。

あぁ、なんてことをしてくれたんだ。

私は生きたくなんてなかった。麻奈美のもとに行きたかったのに・・・


「神様は意地悪だ・・・」


どうして私なんかを生かしておきたいのだろう?

私より麻奈美を生かして欲しかった。

やりたい事も将来の夢もあったはずなのに・・・



「あぁ、死にたいな」






「どうしてそんなに死にたいの?」






「・・・だれ?」


声のした方に振り向くと、そこには一人の青年が。



おいおい。ここは個室じゃねーのかよ。

ってかノックくらいしろよ。



「僕は幸村精市。・・・君は?」


「椎名沙奈。・・・・ってかさ。何時から聞いてたの?」


「『死ねなかったな』からかな」


「最初からじゃん。わお、最低ーーー。盗み聞きしてたの」


「丁度通りかかったところで聞こえちゃってね。気になったから覗いちゃった」



「ちゃったじゃねーよ・・・取り合えず」


「でさ、本題に戻るけど」


「君人の話聞く気ないでしょ?」






「どうしてそんなに死にたいの?」









・・・・愚門だね。


そんなの決まってる。


「今知ったばかりの奴に教えるわけないじゃん」




あいつがいないからだよ。














(人間にとって)
(酸素がないのと)
(同じです)






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