私の世界はずっと平凡なことばかりだった。
姿も声も成績も運動能力も普通。
可もなく、不可もなく中間にいる存在。
それが私
椎名沙奈だ
そんな私でも仲のいい友人は沢山いる。
まぁ、ほとんどがうわべだけの付き合いだけど
いや、一人だけ例外がいる
私が心を許せる相手
吉祥麻奈美(きちじょう まなみ)
入学式のとき初めて知りあったにもかかわらず
彼女とは性格も趣味もあい、あってずぐ意気投合した。
部活も帰り道も同じ
彼女にだったらどんなことでも打ち明けられる。
私のたった一人の親友
そんな彼女が
大好きな彼女が今日
死にました。
車に撥ねられ、即死だったそうです。
ねぇ、神様。
世の中には不幸なことと幸せなことが半分半分だって言うけれど。
私はそうは思いません。
麻奈美がいなくなった世界で、
私に幸せは訪れません。
だから わたしは
「きゃあああああああ!!」
「女の子が車に撥ねられたぞ!」
「救急車!だれか救急車を!!」
「しっかりして!」
私 の 世 界 に 終 止 符 を 。
(もし、また生まれたら)
(次も貴方の隣で)
(笑って、生きたい)