「今日までのリハビリご苦労様でした」
「…お世話になりました」
「今度は信号無視なんでしちゃダメよ?体に気をつけて生活してね」
「はい」
看護師さんに頭を下げ、ナースステーションを後にする
早いことで私ももう退院だ
あれから何日…いや何ヶ月が経ったのだろう
麻奈美が死んでから…何に「なーに?今日で退院なの?」…でたなお節介
「そうよ、これであんたともおさらば!さよなら幸村精一」
「ふーん…淋しくなるね」
「暇つぶしがなくなるの間違いじゃないの?」
「ま、それもあるけど」
…無視だ無視
こんなやつのためにエネルギーを使うことない
「じゃ、私荷物まとめなくちゃいけないから」
そう言って自分の病室の方向に足を向けた時
「今度はこんなところ来るなよ」
……そうだね
ここに来るのは最後
「アンタのいるこの病院に来るのは…ね」
「……」
「さよならお節介、二度と会わないことを願うよ」
「…じゃーね死にたがり」
退院と最後
(もうこの病院には)
(来ることはない)
(だろう)
さて、おうちにかえろう