15分程で目的の駅に到着したので早速ぜんざいに電話をかけてみる事にする

『はぁーい!こちらは財前くんの携帯よー!!』

俺の知ってるぜんざいじゃない!?
ていうか、え?財前ってもしかしてぜんざいの事ですの?
身バレ乙です四天宝寺中の財前くんwwwヒィッwww


俺が内心会議を開き笑い転げる間にもぜんざい代理人は喋る喋る

しかし電話の向こうがガヤガヤとうるさい

『財前くんはねぇ、今怒り狂って暴れまわってるから電話に出れないの〜
用事だったら伝えておくわぁ』

「ふぐっwww そうですかwwwそれはそれはwww(だからうるさかったのかwww)
自分、白玉っていうあだ名で呼ばれてるんで、ちょっと伝えてみて下さいません?」

『今?いいわよ? 光くぅん!白玉さんから電話よぉ〜?』


四天宝寺の財前光くん、特定しますた!

「ヒィッwwwあひぃwwwwww」


ぜんざいが不憫すぎて笑えてきた
多分今電話に出てる人は何の悪気もなくぜんざいの情報ポロってるんだろうなぁwww

そりゃあ、携帯に直接電話が来たら直接知ってる人に見えても仕方ないよね、ドンマイ

気が付けば電話はしんと静かになっていて、俺の笑いもしんと止んでいた


『もし、もし…』

あ、俺の知ってるぜんざいが帰ってきた


「…好いとうよ、財前くん えへへ」


いや、ただのジョークじゃん?
俺もぜんざいも男じゃん?
本名知っちゃったし、ちょっといたずらしたくなっただけじゃん…


いつものぜんざいなら「はぁ?キモイっすわ」と"w"もつけずに返事してくるのだが、今日のぜんざいは一味違った

『えっ…、 ガツッ…ガタッ』

どうやら携帯を落としたらしい

そのまま電話は切れてしまったのでぜんざいとその携帯がどうなったかは分からない
そういえば一昨日「スマホ買ったんすわ(・ω・*)」というメールを貰った気がする

買って2日のスマホ落とすとは、ドンマイぜんざい

や、待て

もしかして
「スマホ落としたのはお前がキモイ事ぬかしたせいやろ?
責任取って弁償してもらいますわ」
とか言われるのかもしれない

弁償…
貯金一億だし別に平気か

しばらく待っても返信は無かったので俺はおとなしく駅のホームを出た


「もしもし秋吉さん?俺です、はい、名前です
秋吉さんが言ってた駅ついたんで、迎えにきて下さーい」
『…近くのコンビニにいるから、すぐ行く』

ブチッ

「えっ…、切られたwww」

「だって、姿見えたし」


いきなり後ろから声をかけられて凄くびっくりした

秋吉さんは俺の保護者兼俺の住むアパートの管理人となっている

ちなみに24歳独身
アパートは親から貰ったらしい

ただのドラ息子じゃないかと思ったのは秘密


「先に言っとくけどね、君の住む部屋さぁ…自殺者出たんだよね」

「なん…だと…」

「専門の清掃業者も入れたし、リフォームもしてお祓いも済ませたのに、人入んないの
一応1ヶ月ぐらい俺がその部屋で寝泊まりしたけどなんも無かったから平気だよ、多分ね」

「うーん、それなら平気かな?」

「どんだけ値段下げても人入らないから本当に困ってたんだよね
君の保護者代わりになったお礼とかで、定価で入ってくれるって聞いたんだけどマジなの?
本当ならすげー助かるんだけど」

「よほどぶっ飛んだ定価じゃなければそれでいいっすよ」

「元から良心価格なんだけどなぁ…」


秋吉さんはまるで腹話術人形のように表情を変えずにぼそりぼそりと話す人だった
アヒアヒ言ってない時の俺にちょっと似てると感じたのはやっぱり親戚で血がつながってるからなんだろうなぁと思った


駅から少し歩いた所にある秋吉さんのアパートは入り口がオートロック式の新築っぽい、おしゃれなアパートだった

きっと自殺者が出なければ直ぐに入居者が見つかっただろう


鍵を受け取って一階の角部屋に入ると既に荷物が運び込まれていたようで、ダンボールの山ができていた
部屋じゃなくて倉庫みたいだ


とりあえず最優先扱いでパソコンを準備してみるとスカイプにぜんざいがオンラインで、メッセージが入っていた


ぜんざい:スマホ落とした時バッテリーがどっか吹っ飛んで行ったんすけど、どないしてくれるんすか

しらたま:サーセンwwwひぃいwww

しらたま:見つかった?

ぜんざい:見つからんかったwww 罰としてもっかい「好いとうよ財前くん」って言うて下さい 着ボにしますわ

しらたま:どうしようぜんざいがキモイ 壊れた\(^0^)/



ーぜんざいさんから通話着信ー



「あひぃwwwwww」

赤い「電話を切る」ボタンを連打しましたが何が問題でも?www




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