「みゃーじくん、聞いていい?」
「ん、なんだ?」
「日本史選?」
「おう」
「我が友よ」


なんてバカやってたのが数分前。現在は適当に図表開いて年号のやら出来事やらの確認を宮地くんと二人でしてる。他の三人は地理選択だからそっちはそっちで確認してるらしい。


「しにたい」
「生きろバカ」
「木村ぁ私日本史やだよなんで地理じゃないの」
「お前がノリで生きてるから」


くそだわ。叫びたい衝動は流石に人が多いこの場では控えよう。もう一度図表に視線を落とせば宮地くんにお前日本史嫌いなのかよと笑われた。


「日本史って言うか、暗記物嫌い」
「文系っぽい顔してんのに?」
「理系だし。理系科目苦手だけど」


だよな。そう言って宮地くんはまた笑った。木村も大坪くんもさっちんにも笑われた。酷いわ皆。


「衣織そんなんで大丈夫かよ?」
「衣織さんセンター使わないんでおーるおーけ」
「使わねえの」
「ちなみに衣織はもう専門受かってるもんね」
「まじ?」
「いえい」


どや顔でピースしてやった。驚きに固まる三人に数秒後噴き出す。そういえば木村にも話していなかった気がする。
え、じゃあお前なんでここに居んのって顔をされたので家の学校全員受験が決まりなのと一言。


「ああ、進学校」
「秀徳程じゃないけどね」


夏休みくらいに木村の家で参考書読ませてもらったら訳がわからなかった。あれ絶対高校生がやるような内容じゃないわ。


「衣織もうそろそろ」
「あー、いくか」
「あ、俺らも行くわ」


さっちんと一緒に席を立てば、続いて立ち上がる三人。受験する部屋へ行ってみれば、宮地くんと同じ部屋。しかも隣だったから二人でこっそり笑った。


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