なんだこの問題、眠くなるぞ。古典に至っては全くわかんない。特に古文。
「(あー……くっそ、なんで試験監督者3人もいるんだよ。……当たり前か、不正行為防止のためだもんな)」
突っ伏したい思いを捩じ伏せ、問題へむかう。本は昔から読んでいたから読み取ることはできるが、筆者の考えなんて知ったことか。古文なんて知識問題じゃないか。私読み取れないぞ。
「(だーめだ。適当にうっとこう。1/5の確率だし一個くらい当たってるっしょ)」
時には諦めも肝心である。そもそも私はほとんどのことを諦めているような気しかしないがそれはまあ置いておくとして。
「(皆解けてるんだろうな……。まあ大学行きたいもんねー、そりゃそうか。私と違って)」
私だって本当は大学を受ける予定だった。成績が思うように伸びていれば。
「(伸びなくて当たり前だけどね。全然やんなかったんだから。要領も悪いし、出来る以前の問題だわ)」
チャイムが鳴り、鉛筆を置くよう指示が言い渡される。監督者の言葉をぼーっと聞きながら解答用紙を眺めた。あ、回収された。
「宮地?おーい、宮地」
「はえ?」
「力尽きてんぞ。大丈夫かよ?」
「あ、うん、たぶん」
たぶんて。宮地くんに苦笑されてしまった。くそ、イケメンはどんな表情してもイケメンですね羨ましい。
「……どうかしたか?」
「べーつに」
なんでもないよ。そう言って閉めきられていた窓を少しだけ開けた。
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