「うえー、終わった」
「お疲れさん」
「ありがとー」


センター試験、無事終了。会場を出てすぐに、宮地くんと連絡先を交換し、木村たちと合流。そして、今に至る、と。


「……つーか、今吉はなんでいんだよ」
「なんや冷たいなぁ。同じ会場で試験受けた仲やん。仲ようしよーや」
「……いーけど」


見てわかる通り、なぜか今吉くんがいる。いや、別に構わない。友達増えるの万々歳。それが木村繋がりだってことがまたなんとも言えないけれど。


「衣織ちゃん、何食べる?」
「んー、このリゾット」
「ほんならこれと、飲み物はドリンクバーでええ?」
「あ、うん」


何はともあれまず彼の私にやたらと構うこの現状を何とかしていただきたい。宮地くんこっち見てるし。ちらと視線を投げかければ、一瞬合ったかと思いきや、すぐにそらされてしまった。私の心にクリティカルヒットだよ。


「おもろいことになっとるやん」
「なにが?」
「いーや、こっちの話」


今吉くんはいつも笑っているからいまいち何を考えているのかわからない。気づけば大坪くんがみんなの分の注文をしてくれていた。なんていい人なんだ大坪くん。迷惑かけて申し訳ない。


「……あー、そういや宮地ってどこ高?」
「私K高だけど」
「そこワシんとこの近くやん」
「あ、うんそういえばそうだね」
「……ふうん」


……あ、あれー?宮地くんなんか機嫌悪い?というかその原因作ってるのもしかして私?
そして正面に座っているから目のやりどころに困るのですが木村なんとかしろよ。なんで隣に今吉くん。向かいにお前ら三人座ってんの意味わかんない。


「なぜ木村が隣にいないのか」
「衣織はいい加減俺離れしろよ」
「僕は友達がいない」
「ソーダッタナ」


ため息吐かれたんだけど。木村にため息吐かれるって相当なんだけど。そして大坪くんにい苦笑されました本当にありがとうございます帰りたい。


「宮地も大変やなあ」
「は?何の話だよ」
「独り言や。気にせんとって」
「……轢くぞ」


何やら物騒な単語が聞こえたが私は知らない。というか週末は宮地くんとケーキ食べに出かけれるんだから、それ考えたらもう私どうでもいい。ところでよく考えたらこれは俗に言うデートってやつですね。どうしよう、今更恥ずかしくなってきた。


「宮地、宮地!」
「うおあはい」
「くわねーの?」
「た、たべますたべます」


脳内パニック起こしてるうちに運ばれてきたらしい。気づかないだなんてなんてベタ。慌てて食べようとして口の中を火傷した私はただの馬鹿ですええ。
黙って我慢したにもかかわらず、木村に水飲んどけとグラスを渡されて、頭を抱えたくなりました。


11



/


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -