粟楠没
2011/08/07 22:46

なんか残念













池袋のとある道路の、信号機のない横断歩道。
お嬢を迎えに行く途中の車内で、四木は目の前の横断歩道を通るひとりの老婆をなんとなく眺めていた。
両手に某大型スーパーの大きな袋を持ち、ゆっくりと歩いている。皺だらけの顔は心なしか疲れ果てていた。当然だ。老婆が持っている荷物は明らかに多すぎる。
四木は煙草を燻らせながら待つ。お嬢の迎えの時間までまだもう少しだけ余裕がある。余裕がなくても堅気の老婆に催促のクラクションを鳴らすのは仁義に反する。
通るひと達は皆見るからに大変そうな老婆を無視して歩く。四木はそんなひと達を一瞥し、眉をひそめる。が、文句をいうつもりは更々ない。自分だって同罪なのだから。

「手伝いますよ」

若い声がフロントガラス越しに聞こえた。
視線をやると、其処には赤茶色の髪を無造作に跳ねさせた、来良の制服の上に白のパーカーを羽織った少年。
今の池袋にもこんな奴がいるのか、と感心した、と同時に。
後部座席に座る情報屋が笑みを深めたことを見逃さなかった。

「……知り合いですか?」
「ええまあ。後輩ですから」
四木も臨也も笑みを崩さぬまま、互いに底の知れない何かを探り合う。
少年と老婆が横断歩道を渡りきったのを確認して、黒塗りの自動車はゆっくりと速度を上げた。








はい没ッ!/(^o^)\
四木さんあなた分からないわ……orz




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