壁グラ(すばせか)
2011/12/23 23:32
意味わかんない＼(^p^)／
でも置き場所なかったんだ……
ぐるりぐるり。CATのデザインが施された壁グラの色が、混ざる。
羽狛が描き換えているのだ。
CATの象徴である猫の描かれていた壁グラの上に、ぼとりぼとりと色を置いていく。壁アート用のペインティングナイフで、新しい色を、青を、紫を、橙色を、そして黒を。塗りつけて新しい色を生む。
新しい色で描かれるのは、１人の少年。今はこの渋谷、いや、このセカイにすらいない。
彼は―――彼自身の意志と関係することなく、彼に定めたルート、いや、“上位次元の存在が定めた運命”に乗せられている。
羽狛は―――謎の存在であるCATそのものであり、上位次元の存在でもある彼は、ただただ渋谷の片隅で色を、イマジネーションを、想いを乗せる。
“運命”に翻弄されている少年を描く。
少年自身が持っていた力―――“私達”が意図せずに仕上げてしまった強力なイマジネーション―――が原因となって、彼は今このセカイにいない。
羽狛は描く。願いを込めて。彼が好きだと言っていた壁グラの上に。
どうか、“私達”が巻き込んでしまった彼に、幸があらんことを―――
少年の絵は、未だに少年の到来を待ち続けている。
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