あとがき


最後の更新から、2年以上が経ってしまいました。
お待たせして申し訳ありませんでした。

ゼルダの伝説トワイライトプリンセス、原作沿い長編『刺繍』、完結です。

「せっかく綺麗にまとまっているお話なので、ぜひ完結させてください」
「このお話が大好きです。続きが読みたいです」
そういったメッセージを頂いてから、本当に本当に時間がかかってしまいました……。
一度は本当に途中ですっぽかそうかと思ったりしましたが、私もこのお話が大好きなので、ようやっと終わらせることができました。

せっかく夢小説だしミドナ達のその後とかも書こうかなと思いましたが、そこは原作ゲームリスペクトで、あえて明かさない方向で。笑
シャドウの最期が呆気なくなってしまったことだけが心残り……。でもきっと彼は形を変えてヒロインちゃんの傍に寄り添い続けてくれる気がしてます。


時のオカリナとの繋がりは結局どうなってるの?という方に向けてネタばらし。

時オカ勇者と時オカヒロインちゃんが出会い、ヒロインちゃんがガノンドロフにさらわれるところまでは中編『刺繍-baste-』のとおりです。
ネーロことダークリンクは勇者に敗北し消滅してしまいます。魔王勢で唯一味方してくれたネーロの消滅は、ヒロインちゃんの心にひとつ影を落とします。
後ろ盾もなく、ヒロインちゃんは結局ガノンドロフの言いなりになるしかありませんでした。シークがゼルダ姫であることを突き止めたヒロインちゃん。捕まり、うっすらと記憶を取り戻していくゼルダ姫に何故……、と問われて、ヒロインちゃんは涙ながらに答えます。
「姫さま、ごめんなさい。でもこうするしかなかったの……、私はこれで、やっと人間に……」
ゼルダ姫を捕まえたら、ヒロインちゃんを人間にしてくれるとガノンドロフは約束しました。
ガノンドロフはまだヒロインちゃんの紡ぎ屋としての力を利用したかったので、「勇者との決着がついてからだ」そう嘘をつきます。

魔王討伐のため、ついにリンクがやって来ました。
ヒロインちゃんから奪った先読みの魔法で、リンクの攻撃はガノンドロフにちっとも当たりません。リンクはヒロインちゃんがガノンドロフに協力しているとは思いもしないので、苦戦を強いられます。
しかしゼルダ姫のトライフォースの力でその先読みの魔法も無効化されました。次第に戦況はリンクに有利に運びます。
魔王ガノンに変身した彼は、不利を強いられる苛立ちを、用済みとばかりにヒロインちゃんに向けます。強い魔法を奪われたヒロインちゃんには防ぐ術もありません。
そうして、リンクはヒロインちゃんを庇い、一度命を落とすのです。ヒロインちゃんは命を懸けた魔法で過去と時間を繋ぎ、ガノンドロフは“やり直し”をすることになります。

ヒロインちゃんはリンクに味方し、様々な知恵を与え旅を助けます。それはまるでこれから何が起こるか分かっているようでした。

二度目の決戦。リンクはからくも勝利します。
時のオカリナでもとの時代に帰されるリンク。ヒロインちゃんもまた、リンクと同じ記憶をもって7年前へ。

「私は、禁忌を犯したから。もう君のそばにいられないんだ」

紡ぎ屋において、自身の力を使って過去や未来を変えることは禁忌でした。何より、ヒロインちゃんは一度時間を巻きもどすことでリンクを生き返らせています。命の蘇りは、最も行ってはいけない禁忌。
ヒロインちゃんは、聖地の入り口たりえる時の神殿諸とも姿を消します。迷いの森の中に魔法をかけて、誰にも見えないその森で余生を過ごします。

リンクは約束通りヒロインちゃんを探す旅に出ます。しかし見つかりません。ヒロインちゃんはリンクに二度と会う気はありませんでした。
魔法を酷使した影響で余命の短くなったヒロインちゃんは、最後にもうひとつだけ魔法を使います。
ヒントはネーロでした。自分の影に、森の生命力を縫い付けます。最後に裁ちばさみで足元から切り離すと、ヒロインと瓜ふたつの少女になりました。
紡ぎ針を預けられたその少女は、森の近くの村で壮年となったリンクに出会い、拾われます。
リンクは村の女性と既に所帯を持っていました。勇者の血を絶えさせてはならないとヒロインが無理やりに繋いだ縁でした。

魔力をもたない少女としてヒロインから切り離されたその子は、自分をエリシュカと名乗りました。

リンクの手によって育てられたエリシュカは、別の男と結ばれます。王家に仕える騎士の家系の男でした。
リンクは大往生の末、エリシュカに看取られて息を引き取ります。

「ああ、エリシュカ、本当のきみはいったい、どこにいるんだ」

そう、未練を残して。


こんな形で黄昏勇者と黄昏紡ぎ屋の家系は脈々と継がれていくのでした。
時オカの二人は、最終決戦のエリシュカの魔法で心が繋がり、無事再会することができました。あの世でやっと結ばれるでしょう。

時オカヒロインが切り離した自分は正確には人間じゃないので、紡ぎ屋の人たちは人間じゃない何かの血を受け継いでます。()
人より長生きとかそんなもんだろうけどね。

シャドウはネーロの思いも継いで生まれました。エリシュカのことは大好きだし愛してるし勇者に預けとくとろくなこと無いって細胞が共鳴したんでしょうね。笑
でもエリシュカが幸せになるなら、自分が居なくても平気。エリシュカが哀しむ事を防げるなら、自分を犠牲にすることもいとわない。だから、胸を張ってミドナを庇ってくれたんだと思います。

リンクとエリシュカが将来子どもを持ったら、金髪と赤毛の子だから、オレンジ色になるのかな。笑
その後の二人も想像して頂けたら幸いです。

色々散らかしすぎてちゃんとまとまったか怪しいところではありますが、なんとかゴールインまで繋ぐことができました。
このサイトでお話を書くのはこれで最後になるかもしれません。
拙い文章を最後までお読み下さり、本当にありがとうございました。

それでは、またどこかで。



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