追記



ハイラルに伝わる勇者が、どの時代もリンクであるように、ハイラルに伝わる紡ぎ屋もまた皆エリシュカという名で統一されます。

それは剣が天空に収められた時間にまで遡ります…が、スカイウォードソードの時代にはエリシュカは存在しませんでした。
紡ぎ屋エリシュカが生まれたのは時のオカリナの時代。聖地を守るべく力を奮った術師達のなかに、彼女は生を受けます。

大人になれない身体。身に余るほど強大な魔力を操る彼女は、やがて時を越えた勇者を支え、陰から守り、そしてそのために彼との縁を切るのです。
自らと、聖地への入り口である時の神殿を迷いの森奥底深くへ眠りにつかせて。

コキリの森があった場所のすぐ近くには、新しく村が出来ました。
彼が、彼女を探し求めた末にたどり着けず、身を落ち着ける最期の場所として築いた村でした。

そこで彼は、ある日赤毛の少女を拾います。
何処と無く彼女に面影のある少女。魔法なんて使えないただの少女に、リンクは想い人を懐かしく思い、慈しみます。

そうして彼は親子のように連れ添った少女に看取られ、世界に未練を残しながら逝きました。
少女はやがて母になり、子をもうけ、老いて息を引き取ります。
少女が遺した子はやはり赤毛の子。脈々と受け継がれる赤毛は、紡ぎ屋の証。

そうして赤毛の少年が大人になり、王家の遠縁の女性と恋に落ち、生まれた赤毛の子にエリシュカと名をつけたのです。


では、リンクの両親は?彼のルーツは?というと。
紡ぎ屋の少女が無理に繋いだ縁から、彼は生まれます。
そのまま放っておいたら、勇者の血は絶えてしまう。だから彼女は、自分を想って誰とも契りを交わさないだろう勇者のために、無理に縁を繋いだのでした。


刺繍のなかのゼルダの世界はこんなふうに構成されてます。
物語の陰に、すみに、ひっそりと生きる紡ぎ屋。先代エリシュカがどんな禁忌を犯し、永遠の孤独を約束されたのか。それは、また今度お話の中でご紹介します。

ちなみに、ゼルダ無双がトワプリの後の時代設定のようなので、無双世界にもエリシュカがいます。笑
エリシュカは合計3人。無双エリシュカのお話もそのうちしたいですね。


9/30 09:56

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