「櫂君!」
学校が終わって、何度名前を呼んでも無視して帰っちゃうから、櫂君の腕を掴めば、櫂君はやっと立ち止まってこっちを向いてくれる。
「気安く触るな」
「あ、ごめんね」
接触するのがイヤみたいだから、慌てて手を離して、櫂君を見上げた。
「あのね、またファイトして欲しいんだけど…」
「お前とは戦う価値がない」
「ええー前より強くなったんだよ」
逃げられる前に用件を言えば、櫂君は吐き捨てるように言って、早歩きで言ってしまう。
「素直じゃねーな」
「何が?」
いつの間にか隣にいた三和君が苦笑するけれど、言葉の意味がわからず首を傾げた。
気安く触るな(櫂/先導者)
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ツンデレな彼のセリフより
11/10/16 緋色来知
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