≫ため息一つの続き

ポケットの中に入っている小さな紙袋の、その僅かな重みにため息一つ。

結局買ってしまった、ソレにどうやって渡そうかと、対女の子用のスキルなんて全くない頭で必死に考えるけどいい案なんて全くと言っていい程思い付かない。

シュラさんに焚きつけられて、勢いで買うなんて言わなければ良かったとまたため息一つ。

「幸せが逃げるぞ」
「……もう全部逃げてるよ」
「寂しい人生だな」

机に向かっていた僕の後ろから腕を回して、姉さんが抱き付いてくる。
その豊満な胸が頭に当たっているけれど、顔を真っ赤にしながらもなんとかいつものように振る舞う。
心臓はバクバクと激しく脈打っていたけれども。

「なんかあったら姉さんに言えよ」
「…………」

姉さんだから言えないんだよ、と雪男は心の中で呟いた。


ため息二つ
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11/06/04 緋色来知

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